インターネットが引き剥がすお得「感」

最大97%オフとかってどう考えても売れ残りじゃないですか!っていう理性よりもお得感の方につい釣られてしまうのが市場主義社会に生きる僕たちの性なんですが、一昔前と大きく違うのが、結果の評価が他者の見えるところにおかれるようになったこと。
口コミが主たる伝達方法だった頃のネガティブ情報って「藪医者」「まずい」「態度が悪い」みたいな、相手に全面的に責を負わせるようなものが多かった気がします。「騙された」ってのは多少なりともこちらの卑しい気持ちが見えたら積極的には言いふらしにくい。ウェブではその点匿名ですし、騙されたのが自分だけでないことがわかれば晴れて友人に公開することが出来るように。
情報が集まれば比較もできるし、お得感の化けの皮が剥がれて残るは嘘の固まりだけってなりかねない。二重価格だってばれちゃうもんね。

クーポンビジネスに必要なのはちゃんとお得であることかもしれません。

こと、食に関しては値付けというのは難しいものです。価格に見合ってるということを評価できるには山岡士郎ばりの舌と知識と傲慢さが必要です。だからこそ、キャビアと称したランプフィッシュの卵が平気で出てくるわけですが、それで客が満足しちゃえば勝ちではあります。バレたときの反動はもの凄いけどね。食の恨みは怖い。

損して得とれという言葉もあります。店もそうだけど、客側も意識が必要かもね。安かろう悪かろう。元の値段ではなく払った値段で判断しよう。

…ん、払った値段で判断できるならクーポンビジネスなんて成り立たないって?ごもっとも。エステやマッサージみたいな予約系は大抵大幅値引きは初回のみだし、普通に成り立つと思うけどね。


以下余談的に。
もし大幅値引きのクーポン発行が常態化していたら、それって店は高利貸しに利子先払いでお金借りてるのと変わらないよねって思ったりします。実質買掛金が残ってキャッシュが足りない状態になっているはずだけど、経理的にはどうなるのかな…


例えば、クーポン側の営業トークで「キャッシュフローが云々」とかそのあたりに言及されていたりしたら非常に怪しい。まだそこには至ってない気はしますが…


三方一両得にはなり得ない以上、店が得られるのは短期的、または長期的な機会損失の低減または成長期待だけであり、ダイレクトな収入にはつながらないモデルのはずが、客にお得「感」だけを提供して誤魔化そうとしたらそりゃダメですよ。
フラッシュマーケティングを利用した結果の最大のリスクは悪評もフラッシュ!ってところかもしれませんね。