原発が怖いから、脱原発だ!

ほら見ろ、原発が安全だなんて、机上の空論じゃないか!
原子力なんて人間が自然の力をもてあそんだ産物で、もともと人の手に負えるものではなかったんだ!
さあ、みんなで代替エネルギーを考えよう!風力?地熱?太陽光?自然の力は満ち満ちているんだから。

うーん、どうなのそれって。自然を使い倒すと、ツケが回ってくる。風力発電のせいで風がエネルギーに変換され、本来行くべきところに流れていかないことの影響はないのだろうか、とか。
太陽光発電にしても、熱をエネルギーに変換している。熱源は無尽蔵だって?もともと地球が太陽から浴びるエネルギーは、時間単位では均せば一定なんだぜ?

原子力発電というのは人類の英知で行き着いた、一つの極北に近いものだと思う。それを捨てるというのは、自然の消耗との闘いにまた戻る、ということに他ならない。新たな英知を見出すまでの延命策としてね。

今回の件での教訓は、「原発は危ない」ではないんだ。「現代の生活を楽しむには、犠牲が必要だ」という事実。犠牲はリスクに言い換えてもいいかもしれない。多かれ少なかれ、社会生活というのにはリスクが付き物で、それにどのように折り合っていくか、というようなものでしかないけれど、リスクが最悪の形で具現化したときに、どのような態度をとるのか。普段からそのことを考えている人のスタンスは、ある程度明確だろうと思う。