上杉隆に学ぶ自己防衛弁論術

昨日の町山VS上杉対決は両者判定勝ちという結果に終わりましたね。両者勝ちってのはおかしいけどどうやら求める結果が違ったみたいです。
さて、町山側のウォッチャーにも感銘を与えた上杉弁論については既に多くの人が分析していますので直接は触れません。
職業柄、観点のかみ合わない議論をせざるを得ない機会が多い僕としては大変参考になりました。うん、これはやっちゃだめだ。
相手に言質を取らせない、というのを議論の基本スタンスにする人がいます。多面的な角度で論じ、ある立場に置いては正しいこと、しかし違う立場では間違っていることを立場を変えながらたくさん提示し、自分では結論を出さない。そして相手に結論を出させる。これは自分がそれを言ったのではないという点で言い訳の余地が多く残るのですが、その反面、思想に軸がなくなります。結果として方針を貫くことができず、失敗する可能性が高くなります。常に成功を志向するのでなければともかく、基本的には採用すべきではない戦術。

しかし、仕事を常に成功させるのではなく、成功は手柄、失敗は他者のせいにできれば生き抜いていけるのであれば、失敗したときのダメージは大きく軽減されます。

このような自己防衛を行う相手にぶち当たるとついつい、「仕方ない、あきらめよう」と思ってしまいます。そう思わせるのも相手の戦略です。

討論ではその場さえ凌げばなんとかなります。しかしこの方法は自らの対外的な人格を毀損しますので、よっぽどの地位堅固な人以外にはおすすめできませんね。