情報の正しい評価は観測範囲を広げ、固定観念から脱却できないと難しい

ちょっと考えさせられた話。

母集団が異なってしまうと、他の集団については想像も付かなくなるのが人間です。自分も石巻の人と一緒にスマホケース開発してますが、もともとSNSで知り合った人だから相手もMaciPhone持ってます。だから300人以上も大人がいてひとりもtwitterに投稿しないということ自体が恥ずかしながら想像できなかった。

母集団の二極化する構造を、mixiショッピングに見た - More Access! More Fun! %

昔からよくこういう話をしているんだけど、Web化ってのは関心のクラスタ化を強く勧める話でもあって、リコメンドのシステムなんてのはまさにそれ中心。だって広告に自分の関心ごとのことしか出てこないんだよ。Webに情報を依存するのは広く遍くということからどんどん遠ざかっていくことだと思う。
という意味で、従来のマスメディア(新聞・雑誌)はそれなりに重要な役割をになっていたし、Webはその性質上まず情報にフィルターをかけてしまうという点でその代替をなしえてない。質のいいニュースサイトが、一覧性のあるページですばらしい見出しリンクをつけているなんてことがない限り。そうだとしても、全部をざっと目を通すなんてことはしないだろうしね。
実は最近よく見る、paper.liはなかなかなんじゃないかと思ったりもするけど、たまたま広く遍く系の人を捕まえているだけかと思ったりもする。個人的にははてブのお気に入りの観測範囲が広いことで助かっている面が強い。

無駄に情報が溢れているから、気をつけないと自分の主な関心空間だけで活動が完結してしまう(時間の制約という点でね)。それを避けるための質をどう確保するかは結構難しい。新聞もテレビも見ない生活に突入してから、社会のニュースに疎くなるサイクルがたまにやってくるのを個人的には改善しないとと思う。
もう一点。

おじさんなのでよく分からないのですが、この母集団は、メーカーや情報系企業にはサイバーエージェント以外にはほとんど生息してないと思われる「渋谷系」の人たちでしょうか?? 業種でいうと販売・サービスにたくさん見かけますね。ネットにたくさんいる、オタク、開発、IT系の反対側にいる皆さんだと思いますが、認識違ってますかね?

となると、

mixiオワコン、ということは、「自分とリンクしない、つまり理解できない層だからオワコンと決めつける」ということになりはしませんかね?

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これも結構重要な話で、例えば何かのサービスを実施するに当たり、ターゲットの見極めを誤ると、本当は上手くいったはずのものが上手くいかなくなったりする。もっとも、この件が上手くいく事例だというわけではないけど。

かつて、プロフというサイトが問題になったとき、当の学校の先生がサイトの存在を知らないという話があった。
ウェブに対する社会の認識 - novtan別館

また、昔書いた、ケータイとPCの差による観測範囲(あるいは根本的な用途)の差異(ケータイ世代の視野の狭さ - novtan別館)みたいなのはスマホの登場で縮まっているように過去のデータによる固定観念をきちんと捨てていかないと正しい評価は出来ないよね。ようは、おっさんがおっさんになる速度が加速しているというか…

amazonが登場して、ロングテールという言葉が流行ったときの反応は「こんなの売れねーよみたいなものが売れる衝撃」だったはず。でもいまだにその手の衝撃を受けたときの観念から脱却できないと、間違った評価をしてしまうのだろうな。