素人からアプリ発表の自由を奪う未来はすぐそこ

銀行で業務プログラムを作ることになって一度は妄想すること。利子の端数を自分の口座に入れるプログラムをこっそり仕込みたい。もちろん、そういうことは今はできません。それは、レビューをする体制や誰がどれを作ったかの管理がきちんとなされているからだし、実際に動いているものの監査もきちんと入るから。
そういうのは業務プログラムだけの世界だし、素人(本当は玄人でも生業としてではなく)プログラマやっている人のアプリがどんどん出まわる世界。ちょっと前はウェブサイトが〜だったかな。
もちろん、昔からフリーソフトなんてのは山ほどあったけど、作る人も使う人もそれなりの見識と覚悟をもって使っていたし、被害といってもせいぜいPCがまっさらになってしまうくらいだったよね。(WinGroove事件とか)
でも、今は違う。僕らがアプリに与えているのは大事な個人情報で、場合によってはクレジットカード番号まで与えている。友人の住所や私信メールや、世に出してはいけない写真とか、そういうものがPCスマホに沢山格納されている。

アップルはそれなりにアプリの審査をしているけれども、それでもおかしなものは出回るし、Androidなんてもう無法地帯なんじゃないかというほどのもの。ドコモがかつてアプリ統制を試みたのは間違いではない。

個人情報公開サイトのAndroidアプリがスマホ内の個人情報をぶっこ抜きして外部から閲覧可能だったことが発覚 - Togetter
こんなのを見ていると思う。見識やらなにやらは確信犯の下では機能しない。Winnyだってまだ大義名分があったものだ。ウイルス作成罪ができたのはつい最近のことだけれども、こういう事例が続くと個人情報の取扱は厳しくなるだろう。自浄努力にも限界がある。何しろ今の世の中、出回らせるのは簡単。法律も、有志による調査も事後の対応でしかなく、それまでの間に多くの被害が出ることは想像に難くない。

であるならば、全てのプログラムは事前に検閲を受けるという未来はすぐそこだろう。ある程度の審査料を払って審査を受けないと世に出してはいけない未来。食品の衛生と一緒である。あるいは税関みたいなものか。そのくらいでないともはやセキュリティを保つことって難しいのではないか。