この新しい音楽記号の意義は?

新しい音符表記を提唱する『Hummingbird Notation』 | IDEA*IDEA経由で。

Hummingbird
画像は転載しないのでリンク先で確認してもらうとして、コメント。
まず、音の長さが画像の印象に反して直感的にわからない。それは、ビジュアルイメージが「物理的な長さ」に依存しているようで、実際には依存していないことに起因していると思う。つまり、4部音符と全音符の違いは結局のところ補助線的な何かの数に過ぎないから。全音符の直線の長さが正確に4倍の長さであったとしても一小節の幅に依存して長さは変動する。付点2分とかどう表現するのかわからないけど、見づらそう。8分音符以下も似たような問題を抱えている。既存の音符のしっぽは偉大で、何本あるかがかなり強調されていて一瞬で読み取ることができる。
シャープとフラットはわかりやすいと思うけど、しっぽに当たる部分とイメージがバッティングする。これは慣れの問題か。ただ、くっついて邪魔な部分もあって、音符がどの段に書かれているかがパッと見でわかりづらくなっているようにも見えます。
休符が長さを喚起しないのもどうかな。それ以上に小さすぎて読みづらい、という問題がある。
音程を示すために音符のデザインを変える、というのは面白い試みだ。既存の音符に慣れている人にとっては、それが持つ意味合いが完全に変わっているため見づらいけれども、初学者であればそういった問題はおきないだろう。
ただ、パッと見のイメージがどうにもピッチを表しているように見えない。記号に徹し切れていない記号というのは慣れれば慣れるほどその情報過多がうざったくなるようになるだろうし。

このデザイン、一見シンプルなんだけど、どうも記号自体が意味を持ちすぎていて、本来の機能を逸脱しているように思えます。そしてその意味が譜面全体のデザインに依存しすぎているようにも。

トップに書かれている譜面の、Traditionalバージョンの音の長さのわかりやすいことと言ったら。

トータルで見て、改良ではなく改悪に見えて仕方がありませんですね。