「かんたん」がもたらすもの

レンタルサーバーの問題にかぎらず、世の中には色々な脆弱性が溢れているけれども、その脆弱性を発生させる原因はユーザーの無知と、その無知を商売にすることに起因しているものが多々ある。
「かんたん〜」っていうものは特にそういう傾向がある。単にUIの問題への解決策的なものであれば良いけれども、本来専門知識を要することを素人でもできるようにする的なものは非常に危ない。
もっとも、生噛りの知識で危険な行為をやられるよりはマシなので、そういったものを撲滅すべき、と思うわけではない。でも、そこを商売にするのであれば、それなりの責任というものが発生するよねってことで。

(今は改善されているとはいえ)初期のPHPなんてのもその類だよね。

「かんたん!お医者さん入門キット」
とか
「かんたん!高層ビル設計ガイド」
とか
「かんたん!国選弁護人就任ガイド」
とかが世の中に存在しない理由はわかると思う。
一方、
「かんたん!青色申告書の書き方」
で申告に失敗して追徴課税された人も多少はいるんだろうと思う。

つまり、ウェブサイトの作り方ってのは世の中としてはまだ重大事案とは見做されていない。いずれ「サイト構築資格者」なんてのが必要となる時代が来るかもしれないけれども、そうでない限り、今回のような事態はちょいちょい起こるだろうね。

サービスを提供するっていうのは何を担保するのか、というのを事業者はよく考えないといけないと思う。