ユーザーを統御できないIT部門は役に立たない

IT部門が没落すればIT業界の大概の問題は片付く | 日経 xTECH(クロステック)
相変わらずの極言です。例によって納得感はかなりあるんですけど、一方で、そう簡単じゃないよねっていう世界もありそうです。

今ユーザー企業の中では、IT投資の権限がIT部門から事業部門へ急速にシフトしている。そしてIT投資権限を握った事業部門が求めるのは、ビジネスに資するITであり、人月という“目方でなんぼ”のシステムではない。しかもITベンダーには御用聞きではなく、ビジネスのパートナーであることを期待する。だからIT部門と共に没落しない限り、IT業界の未来は明るい。

IT部門が没落すればIT業界の大概の問題は片付く | 日経 xTECH(クロステック)

これね。ガタイの大きさにもよると思うんですけど、事業部門って言ってもいくつもの部門が戦略を持っていて、ステークホルダーがたくさんいると勢いシステム投資ってのが会社全体を壊しにかかる可能性も出てくるわけで、IT部門の存在意義っていうのはそれを統御して理想的と言わないまでもフィージビリティのあるシステムに仕立てていくかというところにもあるんですよね。

だから、ITシステムは難しいんです。

とはいえ、この話ってある程度カテゴライズして考えないと先に繋がらないんですよね。

僕が先に上げた話は主に「基幹系システム」の話です。基幹系システムの構築っていうのはもうかなりの企業においてお荷物でしかない、新たなビジネスを創出しない投資です。出来上がったシステムになんの問題もないのにただ保守切れというだけで更改しなければならないようなネガティブばかりが見えてしまうところです。
一方で、ビジネスを創出するためのユーザー系システムってのはこれから盛り上がると思っています。すっかりバズワードになっちゃったけどビッグデータとかあの手の話をどうのこうのって話は今の調整調整また調整のスピード感では意味ないですからねえ。

そして最近、経営や事業部門のITに対するニーズは急速に変わりつつある。従来の基幹系システムが守備範囲としてきた間接業務の効率化ではなく、ビジネスを差異化して、いわゆるトップライン(売上高)を押し上げるためのIT投資に対する関心が急激に高まってきたのだ。具体的にはビッグデータ分析、IoT、そしてソーシャルメディアといった類の分野だ。

IT部門が没落すればIT業界の大概の問題は片付く | 日経 xTECH(クロステック)

あ、そうそうこれこれ。

ぶっちゃけ、今のいわゆる「基幹システム」の人たちって極端に障害を恐れたりして身動きが取れないんですよね。一昔前だったら新しい技術でも積極的に取り入れたところもそれが枯れてきちゃうとそこから離れられなくなっている。
IT部門っていうのもピンきりだと思うんですけど、基幹システムを見すぎちゃっているIT部門ってのはこの先何すりゃいいかわからない状態ですよね。
もっとも、ありとあらゆる会社のIT部門がそうであるわけはないですけどね。

すごい単純な話をすると、基幹システム投資の時代はようやく終焉を迎えて、新たな未来がIT業界には待っている(というかもう始まっているよね)んだけど、SIerにしてみるとこれは非常に厳しい。基幹システム投資で喰ってきた人たちが新しいものを持っていない。逆に言うとそういう人たちにはご退場願って新しい世界のパイを最大化したいとは思うんですけどね。まあ自分自身そこで戦えるように頑張らなければならないんですけどね。