泥縄って言ってもさ

泥縄とは、「泥棒を捕らえてから縄を綯う(なう)」であり、事が起きてからあわてて準備すること、ですが、後手に回ってしまうことを指しますな。

IT業界、特にWeb業界が他の業界と最も異なるのは、泥縄が失敗の理由ではなく成功の理由だということにあるのではないか
(略)
必要になる前に手を打つのではなく、必要になってから速攻で縄をなう。ヒトもカネも、そして会社というヴィークルさえも、必要になってから調達する。これが、どうやらIT界の成功法則のようである。

404 Blog Not Found:たった一つの冴えたやり方@IT - lingr to stop lingering

んー、これは泥縄かなあ。泥棒が逃げる前に縄を綯えるだけのスピードを用意できていれば、それは泥縄とは言わないのでは。もっとも、

また、泥縄というとマイナスイメージが大きいが、逆転の発想で泥縄を推奨する考え方も出てきている。

泥縄(どろなわ) - 日本語俗語辞書

とあるので、言葉の新しい使い方、というだけかもしれんけど。

こういうのは、成功例だけをピックアップすれば正しいように見えるけど、実はその後ろに泥棒を逃がしまくっている失敗例が沢山あるようにも思える。成功する秘訣というよりは、失敗しても傷を負いづらいやりかたと言うだけなんではなかろうか。
体験談や単なる事例紹介は成功のためのメソッドには繋がらない。XX的経営が会社を変える、見たいなのは成功数じゃなくて「率」に裏づけされたものでなければギャンブルに乗り出すようなものかもしれない。

それでも、なお

小気味よい意見。

エロパロってのはね、そういうもん全部分かった上で、それでもやるんだよ、原作側を怒らせる覚悟もなしにパロディやっちゃいかんわ。まあ、訴えられる可能性がもしほんとに濃厚そうだったら、それでもやれとはさすがに言えんけども、作られた作品自体は俺は認めるよ。

はてな

何もエロパロに限らないと思うけど、全てのパロディーはそれ自体が文化であることは確かだとしても、元ネタ(創作物かもしれないし、現実かもしれない)が必ずしもいい思いをしないであろう、ということは意識しないといけない。元ネタ側が笑い飛ばすくらいしかポジティブな反応をできないのがパロディーたるゆえんなわけで。
二次創作にどういう権利があるか、パロディーにどういう権利があるか、というのは難しい問題だけど、「元」ネタを使うということはいやおうなしにそことの関係は生まれるわけだし、その関係をどう考えるかは、やる側の問題です。つまり、それでも、なお、やるのか、ということを考えてやらなければならない。もちろん、たいていの、特にエロパロでもない二次創作は、好意的かどうかはともかく、暗黙の了解としてスルーされることが多いわけですが。
僕はコミケ等に行ったことがないからアレが同人の集まりなのか半商業マーケットなのか実感としてわからない。ウェブ時代になるまでは、それらに対するアクセスは限られていたから元ネタ側もそこまで神経質に考えることはなかったんだろうけど、ウェブ上でやられるようになるとさすがに気を使うよね。
プロとアマの境目が伝達力という点ではあまり変わらなくなってきた。とにかくウェブに載せれば全世界に公開することが出来る。
ウェブでオリジナルのもの以外を発表するのは(二次創作に限らず引用転載、それこそ議論として他者に言及することも含め)元ネタになんらかの形で対峙するんだ、という覚悟のもと行われるものであるはずです。