Sketches / Vince Mendoza / WDR Big Band

Sketches
Vince MendozaはPeter Erskineの秘蔵っ子として世に出てから、ファンハウスからリーダーを出したりしてわりと日本でブレイクするかと思いきやあまり有名にはならずと言った人ですが(と全て知ってからの後付知識でお送りしました)、アレンジャーとしてはだいぶ長い人です。WDR+ヤバめな面子と言うだけでノータイムで購入しましたが、ジャケットの予感に違わず素晴らしい。
一曲目の「亡き王女のためのパヴァーヌ」言わずと知れたラヴェルの名曲ですが、フルバンを使ったクラシックと言った趣き。秋吉敏子の前夫(といつも言われてしまう)Charlie Marianoがいい味を出しています。残りのトラックは全てタイトル曲SketchesのPart1〜8となっています。ここでは超ウルトライントロドンでも誰が吹いているソプラノか分かっちゃう人ことDave Liebmanを全面的にフィーチャー。Liebmanって結構フルバン好きらしく色々と出張っていますね。Part1はイントロ。PianoとSopranoのデュオで幕を開けます。Part2でテーマを提示しつつ、組曲風に進んで行き最後のPart8でどかーん。アンサンブルはSopranoの音色を生かすためか地味に派手(意味不明?)。Guitarのベトナム系フランス人Ngyen Leもいい味を出しています。うねうね。この人も一発で分かる系の特徴あるプレイをしますね。Part4でバンド全体とLiebmanがバトった後はバスクラ使って落ち着いた音色の中でDave HorlerのValve TromboneをフィーチャーしたPart5。これがまた良いのです。とにかく緻密に作り上げられたアンサンブルに次第にテンションの上がっていくソロ(特にLiebman)がピタリとはまり込んだ名作です。しかしWDR Big Bandはうまいなー。
ライトがPart2,5を、同志社がPart8をやってたかしら。Part5はValve Trombone買ってもう一回チャレンジしたい…