無断リンク問題の焦点

ちょっと昔のエントリですが、ブクマ経由で読ませていただいた&考えることがあったので言及します。
あなたの正義は誰を殺しますか - 無断リンクのカテゴライズで、無断リンクを種類別に分類している。この分類に従うと、第3種及び第5種がいちばんの問題点だと思われる。その他の種別は、ウェブで公開するという行為とイコールであり、仕組みの問題であるから初めから不可能なものか、または自分の力で制御が実現可能なものだ。第4種については異論があるかもしれないが、「批判されたくない」と言うのはほぼ「見られたくない」と等価であり、もし好意的な反応のみを期待しているのであればそれは単なるうぬぼれに過ぎないので、第1あるいは第2種に自ら分類するのが適当かと思われる。
第3種についてはこれは難しい。見られたくない≠間口を広げたくないであることが往々にしてある。検索エンジンでそのことについて検索してくる人は、同一人種であると見做して、これを許容する。そうでない限り、既存の繋がり以上に広がっていかない。そういう意味では、検索容易性+集合性+プライベート性を併せ持つのは承認型SNSであるかもしれない。その敷居の高さが許容されるのであれば、これは一つの解決手段になりうる。
第5種については、第4種のうちのネガティブな部分を凝縮したものと言える。そして、確かに悪意に晒されることを許容しなければならないかと言うとそうではないだろう。ところで、これは無断リンクの問題なのだろうか。これを無断リンクの問題と捉えると言うことは「リンクがなければ晒されない」と言うことだと認識することである。一方で、好意的なリンクをしたいと言う申し出には許可の上リンクを行う。このルールを遵守することで悪意は防げると言う考えだろう。つまり、悪意を持ち込むと言うことがリンクの問題に転化している。実際はどうかというと、たとえ直接リンクを行わなかったとしても、検索結果へのリンクで代替可能(しかもリファラーも検索結果からになるためちょっと考えないと元が辿れない)わけであるから、パブリックな空間から隠蔽しない限りは目的が達成できない。問題点はリンクではなく悪意であり、これがリンクの問題になるのは単に繋がるためのいちばん安直な(そしてウェブの本質的な)手段がリンクだからにすぎないのではないだろうか。
ところで、「第9種 TOPにリンクを張るのが礼儀だからそれ以外には張られたくない」と言うのがあるように思う(かの人は元々はこれか?)のですが、どうでしょう。