医療業界とIT業界は似ていない

コメント欄で香ばしいF社批判が巻き起こっていますが本題とは全く関係ない話をこんな大事なエントリのコメントとして書き込む人たちの気が知れません。よっぽどシステム屋に文句があるのでしょうか。いや、その気持ち自体は分からなくはないというかむしろ分かるんですが…TPOは大事だね。
さて、そのエントリ新小児科医のつぶやき - デスマーチ・プロジェクトは今の医療崩壊の本質を言い表しているようなのでぜひとも読んでいただきたいところですが、ご本人のコメントに「医療に較べれば最近急成長の分野ですが、急成長している分だけ医療が直面している現状に一歩早く既に到達しており」とありましたのでちょっと茶々いれ。
デスマーチ自体はそもそもITで起きるというものではないですが、IT業界は何しろ自分たちが作っているものが何かというのが明確になりづらいことと巻戻しをいくらでも要求されてしまうことによって体質的にデスマーチを引き起こしやすいのです。最初から。日頃からデスマーチの実態に接しているから医療のデスマーチ化が我がことのように見えます。普段からデスマーチを体験していない業界の人は能力と努力と根性で成果を達成できると思っていますのでそこはなかなか共感しがたいのかも知れませんが。
さて、そういった面で確かに似ているところはあります。相手に理解がないと自分たち側のプロセスの問題を棚にあげて結果を責めてきたりとか。ただ決定的に違うのは、IT業界には前提資格試験がありませんので兵隊の供給は無限ですが、医療はそうはいかないということですね。急成長したから先にたどり着いたのではなく、その構造上の差が初めからあります。デスマーチという考えに到ったのも最初からそうだったことを分析したからに過ぎません。
それなのに何故医療がデスマーチ化してきているのか、と言うのが最大の問題なんじゃないでしょうか。ってのは元のエントリでも挙げられている通り。要求仕様を整理しなおすのも必要ですが、いちばんバカな顧客に迎合するバカ営業であるところの報道機関も早期に何とかしないといけないですね。