小倉先生から

ついにトラックバックを頂きました。やった!言及もしてないのに!
トラバ先の記事を一言で言うと「ネットも一般社会も一緒です」ということだと思うのですが、ペンネームとか、無記名の記者とか、現実社会でも普通に匿名による活動が行われているのはどういうことなんでしょうね。そして、まっとうな意味で匿名(というか顕名)を求める人たちは

実名とは異なる名称を名乗り、自分がどこの誰であるのかを第三者に知られないようにびくびくして生きているのでしょうか。

実名って何かが嬉しくて使用するものではないのでは?: la_causette

な訳ないでしょう。別にどこか違うところで誹謗中傷をしているからこんなことを言っているわけじゃないですよ、もちろん。この感覚の断絶は一体何なんでしょうか。

また、最近区役所に行きました児童の習字(「電子投票」の4字が課題だったようです。)及び税に関する作文が張り出されていましたが、そこでは所属する学校名、学年と実名が堂々と掲載されており、作文に至っては、児童の顔写真まで掲載されていました。
〜中略〜
我が国では一般的です。大抵の場合、「私的制裁や逆恨みによる逆犯罪などをどうやって抑止するか」なんてことは考えられていませんが。

最近、学年の集合写真ですら(行き過ぎているとは思うけれども)個人情報保護の観点から拒否されることすらあるのに。僕はこのようなことは悪いこととは思わないし、むしろ子供の頃の感覚から言うと当たり前だとは思いますが、だから何だって言うのか。

会社や学校で実名を名乗らせるのは、「私的制裁や逆恨みによる逆犯罪などをどうやって抑止するかを考えないで自己責任以上のものを」従業員や生徒に「求めるのであれば、それは極端に言うと『(犯罪的行動をしてなくても)道端で襲われても自己責任、その覚悟が無い奴は一切会社や学校に来るな』と言っているのと大して変わりがない」と言われても、きっとどこまで真剣に相手にしていいものかとまどってしまうのではないでしょうか。

そもそも、社会生活をするにあたって、直接の関係がある人に実名を名乗るのは当然です。なんで同じパラダイムで語らなくてはならないのか。大体、ある程度の人間関係以上(これは深さじゃなくてカテゴリの問題で、仕事関係とかは浅くても実名ですね)じゃない限り実名であること自体には意味がありません。匿名でいること=悪いことをするために素性を隠すこと、でない限り匿名であることにも特段意味もないし逆にデメリットもない。
絶対に匿名であるべきだ、と言っているわけではなく、到達可能性さえあれば匿名でも実名でも犯罪抑止の観点から言うと一緒、ということなのになんで実名じゃなきゃいけないんでしょうかね。このエントリでは匿名であることの致命的な点も示されていませんが、どうなんですかね。
ネットで実名を名乗ることで明らかにメリットがあり、また匿名であることで明らかに致命的であることを示してもらわない限り、本人の好きでいいじゃないですかと思います。ちなみに僕はネットで実名の知名度を高めたところで仕事に繋がるわけでは全然ないし、仕事上の関係の人に見られて恥ずかしいことではないとはいえ、その人と全然考えが違ったりすると円滑な人間関係が望めなくなるかも知れず、そのデメリットをあえて受け入れなきゃいけない理由もありませんから匿名でいるわけです。受け入れなきゃいけないんだっていうのは発言資格論ですね(自由な言論を無責任に認めろと言っているわけじゃないですよ)。