既得権ではないと言うのは欺瞞だ

ACCSの久保田氏が述べている既得権についての見解は、ある意味正しいが、議論されている内容に対しては完全に誤ったアプローチだと言える。
著作権管理団体の仕事は、「著作権」という「既得権益」を著作者から委託されてそれによって商売しているのである。その商売を成り立たせるまでの努力とか、普及活動とか、そういったところについて既得権を持っていたからできたとかそういう話をしているのではない。商売の根幹が「既得権」であり、それをどう利用するかである以上、その側面において「既得権をもっていない」とは到底いえない。
的屋の大親分になりあがった男が「頑張って、一つ一つのシマを確保してきた結果がこれだ。全部俺の力だ」と言っているのと変わらない。「シマ」という権利が有名無実化したら何にもならない。もちろんその努力を認めないといっているわけではなく、そこは大いに認めたいのだが、自分の扱っているものに対して自覚的でないというのは果たしてそれを扱う権利があるのかどうか、疑われる状態ではある。

ACCSは、権利者と利用者の両方の立場が混在していて、著作権法の強化だけでは矛盾が起こるのです。いわば「ユーザー・クリエイター」団体であって、権利者としての権利強化と、利用者としての権利制限のバランスを取らざるを得ない立場にあります。世間のイメージほど単純ではありません。
ただ、利用者ではあっても、使用するだけのエンドユーザーではありません。そのため、エンドユーザーとは考え方が違う点もあるでしょう。だから本当は、エンドユーザーが集まった団体があった方がいいと思います。純粋な使用者としての声を法制に生かすことも考えるべきでしょう。

ACCSに既得権はありません:愚直なまでも著作権:オルタナティブ・ブログ

「単純ではない」「考えるべき」というわりと当事者能力を欠いた言葉でしか利用者のことを語らないのはやはりそちらは建前であり、あまり突き詰める議論をする気が無いと言っているようにも思える。
あと、理事に松本せんせーがいる時点でこの言葉は信用ならないな。