理論の世界〜反論は許さない!〜

反論を許さない論者が取るべき唯一の方策は、反論の場を作らないことである。なぜなら、反論を許さないその理論は完璧であり、他に何もいらないからだ。完璧なるがゆえに、発信することがすなわち説得することであり、読んだものは皆納得することだろう。
賛同者を求めることも不要である。賛同者を求めることはすなわちその理論の正しさを他者によって証明することに他ならず、自らによって完璧と言い切れないことを示す。あるいは、補強する論を欲してもいけない。その理論がそれ自体では完璧でないことの証明であるから。
もし理論に100%の自信がなく、他者の意見を求めるのであれば、その理論への反論をも認めているということに気付くべきだ。そこでは罵倒すら反論であり、そこに表出された感情を差し引いたものを評価すべきである。場合によっては罵倒引く感情はNULLであるかもしれないが。