立法府の意向なんて利益代表の意向だろ?

小倉先生の最近の私的録音保証金に対するエントリは非常に共感できるわけですが、日本映像ソフト協会の酒井という方への返答として書かれたエントリに、当人がコメントされています。

私的録音録画についての立法府の判断は、旧著作権法では器械的又は化学的方法による複製は著作権者の許諾を必要としていました。現行著作権法では、たしかに私的使用目的の複製は自由としましたが、その際、衆議院では、
「著作物の利用手段の開発は、いよいよ急速なものがあり、すでに早急に検討すべきいくつかの新たな課題が予想されるところである。よって、今回改正される著作権制度についても、時宜を失することなく、著作権審議会における検討を経て、このような課題に対処しうる措置をさらに講ずるように配慮すべきである。」
との附帯決議を行い、参議院でも同趣旨の附帯決議を行っています。
そして、平成4年にはタイムシフトやプレースシフトを含む私的録音録画について、立法府は補償金制度導入を必要と判断しています。
わが国の立法府は、先生のご見解とは異なる立場で著作権法を作ってきているのではないでしょうか。

benli 私的使用目的の複製が自由に行える理由 コメント欄

小倉先生は現在の法解釈による原則論と、私的目的の複製を行うことの合理性について明快にお話されているところにこのコメントです。立法府が必要と判断したってのは当たり前で、どんなの合理的ではなくて、議会で多数派になる要因にある産業界の支持があるのであれば、その期待するところに応えるのが議会と言うものであり、今までの日本の政治を見てもどれほど合理性に欠けるかなんてのは明らかですから、このコメントは日本が「資本家主義」であることを再確認するコメントと言っていいでしょう。法の下の平等なんて法が平等じゃなければ自重で潰れるような言葉です。
ロビー活動がなぜ存在するのか。違法献金が何故あとを絶たないのか。業界団体の人がこのようなコメントをすること自体、その根拠に合理性が欠けることを証明しています。