Webで書くことについて(3) ウェブという世界

ウェブ黎明期、たぶん、それまでパソコン通信とかで活動していた人がウェブに触れたときの感想は「全世界に発信できてすげー」だったんじゃないかって思います。その一方で、前にも書いたけど、ウェブは全然つながってなかった。正確に言うと、網の目じゃなかった。あるコンテンツにたどり着くために辿れるルートは限られていた。そして、そこにはある程度のキーワードにおける連帯感と、礼儀と、仲間意識があったと思う。そして、インターネットとは何であるか、はポジティブ(公開できるぜ)にせよネガティブ(見つからないようにするのは難しいぜ)にせよ、理解されていたと思うのです。世界と、用途。二つは有機的に結びついていたはず。
一方、利用者が増えてから参入した人のかなりの数は、その動機として、用途しか見えていないのではないかって思います。友達と、時間と空間を超越した繋がり。あるいは、見知らぬ人との交流。でも、それらの世界がひとつのものである、という認識は、きっとそれほどない。
現実的には、すべては一つの世界。一方で実名として友達と交流し、一方で匿名として議論に参加し、という活動は、確かに可能ではあるけれども、両方が同じ世界にあることを意識しないとちょっとしたことでその二つが結びついてしまう。そのことは、この世界の仕組みを理解していないと、空気のように忘れ去られてしまう。
大抵は、問題にはなりません。それは、現実の世界でも同様なこと。