IT業界で働くことはクリエイティブな仕事であるという幻想

すごく単純な話として、どんな職種でも働き始めてから「イメージと違う」と言うことが大半なんじゃないかと思うのですが、そうだとして、IT業界も例外ではありません。1〜2割の最先端の仕事の裏で日本を支える8〜9割の泥臭い仕事があります。その泥臭い仕事の中でも2割のちゃんとしている会社は上手くツールを使ったり新しいものを使って効率の良い仕事をしているわけですが、残りの8割はベタベタな作業をしていて、でもその中の2割はお客さんとの関係と業務のスキルによって円滑にプロジェクトが進んでいるわけですが、残りの…
と言う感じで、ピンからキリまで色々あるのも他の職種と一緒です。つまり、IT業界=クリエイティブと言うのは成り立ちません。IT業界の一部がクリエイティブなだけです。これは会社によっても違うし、大手の会社なら部署とかお客さんによっても大きく違ってきます。SIer然り。銀行然り。単純な「〜はダメ」と言うのはまあ確率的なものはあるとしても、必ずしも真ではありません。
文系で、デザイン系のセンスもなくて、でもなんかもの作りがしたい、と言うことでSEという職を選ぶ人も多いかと思いますが、そういうわけで、それほど創造性のある仕事をできる、という確率は高くありません。元々何も知らないのであれば尚更。
と言うとやっぱり夢も希望も無い世界のように思えますが、逆に言うと、頭2割の中に入れば文系だろうが未経験だろうがそういう仕事ができるってことでもあります。そこではもちろんコンピューターやプログラミングについて最初から良く知っているほうが入りやすいし、突出しやすいです。だから、無意味なんて事は無い。でも入る会社を間違えたら突出できないこともあります。本当にきちんとソフトウェア工学を学んだような人はSIerに就職するなら研究所がちゃんとあるようなそれなりの規模の会社でないと多分意味が無いですね。一方で、未経験でもきっちり勉強し、自分の考えをちゃんと伝える能力も身に付ければ、わりとやりたいことが出来る可能性も高いです。これも会社によるけど。
この産業を支える泥臭いところをさげずんではいけません。またより進歩的であろうとする努力を怠ってはなりません。仕事には波があります。上手く乗りましょう。でもずっと台風で高波ばかりの時は沈まないうちに逃げましょう。そんな感じで、前向きにやっていきたいですね。
まあろくでもないこともいっぱいあるのですが。