ライトノベル黎明

引越しの為に部屋の片づけをしていたら、奥にしまいこんだ文庫本が大量に出てきた。というか、知ってたけど。
僕が中学生の頃だよな。当時はコンプティーク全盛で、ロードス島戦記のリプレイが連載されていたわけだ。友だちとTRPGをたまにやったりなんかしてたから自然にその線で黎明期のラノベに触れることになったわけ。いや、僕はラノベの定義も良くわからないし、その年表みたいなものに興味があるわけではないんだけど。

2008年03月13日 NOV1975 あとで 何となく何か言ってみたくなったのであとで。

はてなブックマーク - 今回の「ダ・ヴィンチ」の特集の年表はヒドいもんだった - 2008-03-12 - 帰ってきたへんじゃぱSS

と書いたまま放置してしまったけどなぜかスターを貰った、というのはなんか書けと言う催促だと思った。いいきっかけなのでちょっとだけ。

海外ファンタジー富士見書房

ドラゴンランス戦記を初めとしたAD&Dがらみの傑作群(個人的にはドラゴンランス伝説の最後らへんとアイスウインドサーガが一番好きなんだけど、近年のアスキーからでたダークエルフ物語は読んでない)や、ゲームブックなどで一世を風靡していた富士見書房ですが、まあ実態としては角川なんだっけ。で、グループSNEあたりで一生懸命色々訳していたのですね。当時D&D以外にも色々あったけど、

  • グラマリエの魔法家族
  • ムレムの書

あたりは面白くてよかった。いつのころからか刊行ペースが落ちてぱったり止まってしまったのは残念。

ドラゴンランス(1) 廃都の黒竜

ドラゴンランス(1) 廃都の黒竜

ドラゴンランス伝説〈1〉パラダインの聖女

ドラゴンランス伝説〈1〉パラダインの聖女

アイスウィンド・サーガ〈1〉 悪魔の水晶

アイスウィンド・サーガ〈1〉 悪魔の水晶

ムレムの書〈1〉タルウェの旅立ち (富士見文庫―富士見ドラゴン・ノベルズ)

ムレムの書〈1〉タルウェの旅立ち (富士見文庫―富士見ドラゴン・ノベルズ)

コンプティークスニーカー文庫

よーわかりませんが、この辺がまずもってラノベの黎明期というところなのかな。当時は野生時代という小説誌があって、ロードス島なんかはそっちに載ってたりもしましたね。その後廃刊⇒ザ・スニーカー創刊、というあたりがまた一つのターニングポイントなのかも知れません。
ルビにカタカナを多用し始めたのは魔獣戦士ルナ・ヴァルガーあたりなんじゃないかと思う。

富士見ファンタジア文庫

TRPG関連でドラゴンマガジンなんかを読んでいると当然連載されているやつを読んでいるわけで、風の大陸とかどうなったんかな、結局(終わってるみたい?)。
当時は竹川聖・吉岡平なんかが看板作家で、タイラーなんか面白かったけどね。最初の頃はほんと運だけって感じの描写が非常に良かったのだけど、段々、実は…みたいになって普通っぽくなっちゃった。後年リライトされた奴は全然ダメな感じね。
このころはシンプルで熱いものが多かったと思う。

んで、スレイヤーズ

これをもって初期型ラノベの完成なんじゃないかと無責任に発言してみる。まあ僕個人の感想としては、ここで何か一つ変容した、というか、開き直った感があるんだよね。僕の小説の読み方は全く分析的ではないのであくまで感想だけど。お作法とかそういう点での変容。冴木忍なんてかなり好きだったけど、なんでかな。淀みがないところなのかも。

スレイヤーズ! (富士見ファンタジア文庫)

スレイヤーズ! (富士見ファンタジア文庫)

虹色の封印―道士リジィオ (角川mini文庫)

虹色の封印―道士リジィオ (角川mini文庫)

僕とラノベの終わり

このあたりの世代以降はぶっちゃけよーわかりません。少なくとも新しい作家はその後開拓してなかった。ソードワールド関連というかTRPG関連はちょっと追ってたけど、あとはSFを読むので精一杯だったからなあ。
僕はストーリー&設定マニア的な人なので、キャラクターを前に押し出していく傾向にはイマイチついていけないからかも。偏見かも。ハルヒなんてそんな意味では面白そうなんだけど、もうちょっとああいうのは読めんのではないかと思って手が出ないわけです。
というかさ、ライトノベルの何が「ライト」なのか良くわからんですね。かつてクロスオーバー(フュージョン)が商業音楽に堕落したと評されたようなものか。歴史的文脈の中で面白さを感じる部分があるのは否めないし、そうであれば古い本読みには読めないジャンルなのかも知れません。なんでもそう。音楽だってそう。出来上がっちゃっている人には順を追って受容体を作らないと受け入れられないかもしれない。
ただまあ、今の方向性だと僕も読めないというか読むべき動機を見失ったな、というところで終了しているんだ。広義のラノベ(が何を指すかもよくわからないけど)であれば、もはや意識せずに触れているとは思う。ジャンルとしての市民権とかそういう話ではなくて、無理に括るのは難しいんじゃないかって話だよね、きっと。