ネガティブブクマなんてないから、ブクマコメントは自由にすべき

なんてね。前にも書いた。
ネガティブコメントがどうとか、その考えが既にダメっ・・! - novtan別館
これも無断リンクと同じで原則的な部分と、マナー的な部分の分離がうまくいかない事例の一つだ。ウェブとはこういうものだ、という認識が違い過ぎて対立が生じるんだけど、実はそういう問題じゃない。無断リンクとかネガティブコメントをされて起こる人ってのは「ここはウェブである」なんていう認識なんて実は大してないんだよね。どうしてそういうずれが生じるかというと、それはPCのI/Fが通常提供している現実世界とのメタファーがオンラインであるということについては提供されていないからかも知れない。少なくとも、かつてFTPで「アップロード」して公開していた頃はそれが機能していたんだろうけど、ブラウザを経由することになって、ほら、ブラウザを操作しているところってインターネットでありながらローカルだよね。人によってはそれを「どこでも自分のリソースに触れる」と捉えているんだ。「自分の」というところに誤解があって、コントロールできるのはそれを編集することだけだ、ということに気付けない。もっとも、これを現実に置き換えるにはどうしたらいいか。カメラとかマイクなのかな。「登録」とか「確定」じゃなくて常に「公開」ボタンにしておけば誤解は少ないかも知れない。
さて、そんな無防備リソースにブクマがつくことがなんの問題があろうか。いや、ない。

このまなめさんのコメントを読んで思いついたのだけれども、「はてなブックマークで誹謗中傷ばっかりしている人」(「あたまがわるい」とか「これはひどい」ばっかりの人)に関する嫌悪感を誰かが指摘した場合、ネガティブブックマーカーたちの言い分って、「それがインターネットというものだ」「批判される覚悟もないなら書くな!」っていうのがけっこう多いですよね。

2008-04-07

ネガティブブックマーカーという存在が藁人形的な何かであるのは前述のエントリで書いたとおりなんだけど、この言い分というのは非常に正当なものだと思ってる。

初心者マークつけてる車を追いかけまわして、「公道の厳しさを教えてやるぜ!」って威張るのは、そんなに気持ち良いのですか?

2008-04-07

ブクマにも書いたし他の人も言及しているし、コメント欄でotsuneさんが思いっきりツッコんでるから今更言うまでもないのだけれども、そういう行為じゃないんだよね。もうちょっと言うと「批判される覚悟もないなら書くな!」ってのは何を書くのか、という話であり、一般化しづらい。無断リンクだって、原則とは外れているけど「お願い」の人はスルーされやすいし、「禁止」の人は突っ込まれやすい。なんでかっていうと原則を守るか、わかった上で許容を要請しているというのは誰の権利も奪っていないからなんじゃないかなあ。悪いたとえに乗っかっていいことはないけどあえていうと、初心者だから2車線の真ん中を走っていいんです!みたいな開き直りは責められるよね。一方で左車線で法定速度の半分くらいで走っていても、渋滞の元になっているんじゃなければ、しかたねえなあって思われるんじゃないかな。
別にだからといって誹謗中傷罵詈雑言なんでも許すべしって言っているんじゃないんだよね。そこのところがわりと勘違いされやすいところではあるけれど、ある程度「常識」を適用していくのが社会ってもので、まあそれをシステムにどう実装するかというとかなり難しい話ではあります。原則を侵さないようにコントロールするってのはね。
ブクマが変な多数決機械みたいになってしまうのも気持ち悪いけど、今のところネガティブな方向には機能していないんじゃないかと思ったりする。ネガティブに受け取る人がいるのは理解できるけど、そのネガティブさの源流はどこにあるのかというとだね…
良くあるコメント批判ワードに「向こう側の人のことを考えろ」的なものがあるけど、ブクマされる記事を書いた人は何らかの形で人を刺激するものを書いたからそうなったわけで、それは向こう側の人を考えた結果なのかなあ。そうではなくて、自分の言いたいことを言っただけだと思う。ブクマコメントがいまいちアンフェアに受け取られるのは、一つのエントリに対して多数の人があたかも記事を書くかのようにコメントすることなんじゃないかと思うけど、それを認めないことってのはそもそも言いたいことを言わないように制限する、ということと同義だと僕は思う。つまり、ブクマコメントを制限する、ということはブクマじゃない他の手段の表現(ブログのエントリとか)も制限することだ。全世界の顔色を窺わないと書けない?そんなことはないよね。もちろん、ブクマは対象ページの書き手の顔色を窺えばいいじゃんという話ではあるけど、言及エントリ書くのとなんら変わらない。いやまあそれよりも目立つという話はあるな。
確かにブクマって存在そのものに微妙な違和感があるのはたまに思ったりもするけど、鏡だと思って正対していくしかないんじゃないかな、今は。