クサカベ先生そりゃないよ

単純に人を増やせばどうにでもなるって話ではないし、大体、大学の定員増やしても幸か出るのは10年先でしょうけれども、じゃあ、現場の待遇だけでなんとかって話でもないでしょ。

医学部の定員を増やすとどうなるか。それで優秀な人材が集まるわけではなく、単に裾野が広がるだけだ。つまりは全体として、医師のレベルが下がる。それはひいては医療ミスの危険を高め、無駄な医療費を増大させる。

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080701/acd0807010333001-n1.htm

このことは正しいんだけど、単に裾野が広がるだけかどうかは、医師と言う職業に未来の希望があるかどうかにも依存しますから、そっちでカバーすればよさそうです。というか、このままでは定員を増やさないとよっぽどマゾな人しかこないのでは。

現在の医師不足は、主に病院と地方で起きている。勤務が厳しく、収入の少ない病院や地方を離れ、立地条件のよいところで開業する医師が多いのが原因だ。
医師の増員でこの問題が解決するのか。増員すれば開業医が増え、すでに患者の取り合いが起こっている現況に、ますます拍車がかかるばかりだ。やがて失業する開業医があふれるだろう。そんな医師が病院にもどっても、よい医療をできるわけがない。

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080701/acd0807010333001-n1.htm

勤務医の待遇がそこそこ良くて、開業医の競争が激しければ、自然と病院での医師不足は改善します。そのためには、勤務医の「通常の職業では考えられないほどの激務」を改善しなければならないですね。よく言われるのが「人手が足りないのが原因」ですね。

今、病院でマンパワーが不足しているのは事実だ。しかし、今の病院乱立の状況で、すべての病院が万一に備えたりすれば、“寝るだけ当直”の医師に高い当直料を支払うことになり、無駄な医療費がますます増大する。

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080701/acd0807010333001-n1.htm

人が足りない病院にだけでも送り込みたいところですが、人が足りないんですよね、確か。あれ、先生のおっしゃるのと同じ原因に対処するためには人手を増やすことが第一であるように思えるのですが。

こんな状況になったのも、すべては医師の自由を認めすぎたせいだ。科の選択の自由、開業の自由、病院開設の自由。それを放置して、医師の数だけ増やしても、無駄な医療が増えるばかりである。

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080701/acd0807010333001-n1.htm

自由って言っても開業医で儲けられるくらいには医者が少ないからなんじゃないですか?何せ、作家が兼業できるほどらしいですし。

足りないから増やす。そんな小手先の方法で改善するほど、日本の医療危機は生やさしくない。

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080701/acd0807010333001-n1.htm

そうですよね。なにせ医療費を削減しなきゃならないですからね。
まず久坂部先生は勤務医に戻ったほうが良いですよ。自分が率先しなきゃ。もちろん、産婦人科か小児科か、救急でお願いします。

開業医を潰して大病院だけにすれば問題が解決するなら、ぜひそうすべきです。そんな小手先の方法で改善するほど、日本の医療危機って生やさしいものなんでしたっけ?

いろんなニュースで、逃散問題で、診療科を維持できない病院が多数あることを聞いています。その科の開業医が繁盛しているわけでもありません。
きっと、各都道府県で1〜2の大病院にリソースを集中して効率化すれば今の人数でも足りますよね。もちろん、遠い人は病院に到達しない可能性があるとしても。極端に言えばそれでいいって言っているようにも思えてしまいます。
多分、病院離れを防ぎたい、ということなんでしょうけど、それを「開業医というおいしい選択肢があるから」と思っているうちは改善しないと思います。開業医が飽和しているかどうかも疑問です。それよりも勤務医が時間の面も含めて待遇が良くなることが第一なんじゃないでしょうか。