IT業界に「手に職をつける」ために入るのはおよしなさい

僕が会社に入った頃はもうすでにWindowsも身近になっていた時代。インターネットで就職活動も当たり前な時代。IT産業というのが華やかなイメージを持って語られていた時代。
当時面接なんてやると、こういっちゃ悪いけどちょっと鈍くさい感じの子達が口をそろえるかのように言う。
とりあえず手に職を付けたい」
「コミュニケーションには自信があります」
手に職、というのはなんだろう。ITは確かに資格は沢山あるけれども、資格商売ではないし、職人芸の世界でもない。一体全体、何をやりたいんだろうこの子達は。そう思って。
でも、実際には職人芸の世界はあって、頑固な(融通の利かない)職人達によってその世界は維持されていたりする。嗚呼レガシー。かくして、手に職を付けたいと望んだ子達は歯車となるために現場に送り込まれ、その現場でしか通用しないルールとルーチンワークに染まっていく。そう、その現場にしか通用しない…それは「手に職」とは言わないだろう。
IT業界において、こつこつやることは必ずしも美徳ではない。何しろ楽をするために頑張る、という世界なのだから、手を抜かなくてもこつこつ出来ればいいや、という人は最終的な目的を達しない。楽をするのは自分のためじゃないはずなんだけれども。