IT業界の二つの顔

はてなー諸氏におかれましては、IT業界というのはガチムチなdankogaiやshi3zみたいな人が火花を散らして戦っている姿を想像しているかも知れません。
それ正解。

shi3zさんのプレゼンは、要約すれば、
「IT業界は戦場であり、その自覚がない者は駆逐される。現状では日本は敗北を繰り返したIT敗戦国であり、その事実を直視すべきだ。敵わない規模の敵に対しては、ゲリラ戦の戦術で戦っていかなければならない。では、ゲリラ戦で勝つにはどうすればよいか」
という内容のものだった。

IT業界戦場論 : 小野和俊のブログ

うひー、怖い怖い。
でも特に直接ITをサービスとして提供する仕事をしている人にとって、この内容は真実であろうね。まだ開拓されていないフロンティアに無理やり種を蒔いて収穫できなかったら土地ごと空爆して不毛な大地にしてから別の天地を探す、みたいな根性は必要かも知れない。
一方で、サービスそのものじゃなくて、サービスを構築することをサービスにしている(わかりにくい)人たちもいる。まあ、いわゆるSIer的な人たち。ここも戦場には違いないけれども、多分に商人同士の戦いの様相。競争相手も時には仲間、時には敵、どうせ殺るなら客を殺れ、みたいな。
あと、直接は商売にならないんだけど、こつこつと基盤的な部分を積み上げている人たちもいる。
IT業界で面白いのは、コードを書くことは人的資源以外の何物も消費しない(もちろん、電気代とかPCの費用はあるとしても)ことと、思い付きを実現するのも大半はコードで済んでしまうことから、それはできないって言われてもやって見せることが出来るってところか。こんなもの出来るはずがない⇒0億円でできたよ〜みたいな。
新しいサービスを提供するっていうのはそんなところの話で、サービスとコードが一体というか、コードが書けるからサービスがある、みたいなところもある。企業のシステムなんかはそうじゃなくて、まず現状でやっているものがあって、それを如何にしてITの世界に移し変えていくか、というところが本題。もちろん、既存のシステム(パッケージ)に乗り換えるという選択肢もあるけれども、いずれにしても、システムと業務をマッピングしていく仕事であって、システムそのものが業務(だったり、企業が創出し、提供するもの)ってわけじゃない。
IT業界を志す人は、一体どういう仕事でITに携わりたいのか、ということはきちんと考えておかないとえらいことになりそうだ。
もっとも、コードを書く能力が高い人はどちらにいってもそれなりに通用するとは思うけれども。