古典でないものを現代語訳する権利
もしかしたら、文学は芸術であり、価値があり、保護されるべきだ、と思われる向きからすると、悪魔の所業にも等しいと受け取られるのでは、なんて思ってしまいましたが…
某人が「あたし彼女」を5ページで挫折して読めなかったそうなので、かんたんに現代語訳してみました。
「あたし彼女」現代語訳 - 藤棚の上
こういった試みそのものは個人的にはとても好きだし、ケータイ小説が展開される場に対して起きる、既存の小説読者層との距離を縮める一つの行動として評価されるべきなのかな、とも思いますが*1、どうしても気になるのは著作権。
そもそも、筋がはっきりわかるようにあらすじを書くことですら、翻案件に触れるか触れないかのボーダーライン上の所業であり、権利者が本気で撲滅にかかればあらすじばっかり載せて酷評しているような書評サイトとかなぎ倒されちゃうかも知れませんが、この「現代語訳」はそのレベルをはるかに凌駕した掲載っぷり。
「あたし彼女」は権利関係の表示とかがはっきりされていないこともあって、そのへんどうなっちゃうのかよくわかりませんが、「恋空」みたいに出版されたりするようになるのであれば、出版社との契約の中ではっきりしたりするでしょうし、ちょっと心配です。
*1:ただし、文体があまりにアレだから"現代語"訳してみました、という話はちょっとどうかと思わなくもない。