演奏会という場

演奏家としての自分の実力は所詮新たなものを生み出すためのものではなく、それでも音楽活動を続けていくモチベーションというのは、一つには力を持った人に頼りながら、自分の持てる最高のものを目指して頑張るところにあります。一方で、そういうのとは関係なく、趣味として、一緒に演奏し、感じる空間を作ることがあります。
本来、芸術活動としての音楽演奏において単純な楽しさというのは実力を伴ってしか顕現しない。これは録音なんかを聴くとわかります。しかし、もうちょっと根源的な部分、その場の空気に煽られた観客をも巻き込んだあつっぽさが人を動かすような、そういったものは純粋な演奏の良し悪しを超えたところでも人を感動せしめるものです。
本来形からするとインチキなのはわかっているのだけれども、ある種のコミュニティー活動としての演奏活動の帰結としてはそれはありなのかな、と思います。もちろん、内容が伴うとさらに良いよね。
僕の中で真剣にやることと真剣にやらないことという背反したものをどう折り合いをつけようかという葛藤はあります。といいつつも、その場に相応しいやり方を都度選択していくべきなのかとは思っています。

いつも素晴らしいエントリを読ませていただいているid:sk-44さんには去年に引き続きご来場いただきました。少しでもその場の空気を感じていただけたとしたらこれほど光栄なことはありません。

私の人生が変わるかはわかりかねますが(というか私が私であることは変わらないでしょうが)、音楽の楽しみを知らしめることによって、仰る通りと納得へと至らしめることが、音楽それ自体の力であり、音楽を信じる人の力であるでしょう。今年も出さずじまいだったアンケートに代えて、記事を書きました。

Live Alive! - 地を這う難破船

アンケートの代わりとしては過分なエントリを書いていただき、大変恐縮です。
あの場を楽しんでいただけたとしたら、それ以上ありがたいことはありません。ご来場ありがとうございました。


昨年の模様
スウィングと気晴らしの発見 - 地を這う難破船
音楽の効能 - novtan別館