FFの掛け算はやり方を覚えるより丸暗記したほうがよさそう

楽器の世界では、移調楽器というものがあります。いろんな種類があるので例だけど、たとえば一般的なトランペットはシのフラットを基音(楽器の一番自然な状態でなる音)として作られています。で、譜面はその基音を「ド」として書かれています。そのほうがピストン(キー)の指を覚えるのに都合がいいのと、別の基音の楽器を吹いたとき、その楽器も基音をドとして書いてあれば、譜面の読み方が同じだからです。ただし、出ている音が今まで吹いていた音と変わってしまうので、違和感があって吹けない人もいます。
ところが、トロンボーンという楽器は基音がシのフラットの癖にドは普通のドです。つまり、基音が楽譜上もシのフラットで書かれている。なんでさらに面倒。
こういうとき、譜面を自分の楽器の基音に読み替えて考える人もいれば、楽譜の基音毎に自分の楽器との対照方法を覚えてしまう人もいます。僕はどっちかというと後者。
前者のほうがより処理能力の高い頭脳を要求されます。まあ、どっちも慣れなんだけど。後者のほうがレスポンスは早いかもしれませんが、別の譜面を読んだときに、いまどれだっけと混乱することがあります。どっちもどっちかもしれません。
というのを以下の話を読んだときに思い出した。

結局、「普通は出来ない」のだと私は理解した。しかし16進数の掛け算はそんなに難しくない。私が子供のころには、まわりにFF(1×1=1に始まって、F×F=E1まで)を丸暗記している人がいっぱいいた。

2009-01-06

といって続くのは、計算の方法。それって丸暗記じゃないよね。ちなみに、16進を丸暗記しているひとがいっぱいいたというのはたまたまなんかがきっかけで流行った(子供のときってどうでもいいことが流行ってみんなで競い合ったりするものですよね)からじゃないかと思うけど、それはさておき。
というわけで、FF表を作ってみた。作り方は簡単です。10進の掛け算表を作ってそれをdec2hex関数で変換。Excelの場合はアドオン(分析ツール)を入れないとダメかも。10秒で出来ますよ。

ぱっとみでわかるのは、結構法則が見て取れるよね、ってところです。肝心なのは、まず偶数を覚えること。ACEが偶数だということをぱっと思い出せるといいですね。3の段は見覚えがある感じですよね。途中にはさまれるものの法則が覚えられれば大丈夫…とはいえ10進のとずれていますから、さんしがC、さんごF、さぶろく12と覚えていかなければなりません。というわけで、結局全部九九と同じように唱えて覚えるのがよさそうです。法則を覚えると、下から唱えていくのは簡単なんですけど、一発で答えを出すのは覚えないと難しいですよね。ほら、九九でも6×7や6×8あたりが苦手な人、いませんか?
ええと、使わないですけど…
見ていて面白いのは、当たり前ですけど、Fの段。基数-1ですから、2桁目が1ずつ増えながら、1桁目が1ずつ減っていくのは10進のときの9の段と一緒。一方、4の段、5の段は10進と大きく違ってますね。特に5の段は10進だと一桁目は5と0しかないのに16進だと全ての数字が登場します。10の真ん中の数である5にあたる、16進の数字は8。8の段は8と0しかありませんよね。16進だと半分の半分もあります。4の倍数である4とCは4と8とCと0しか出てきませんね。
一覧作って一望してみたのは初めてだけど、いや、なかなか面白いですねこれ。
で、なんで冒頭の話を出したのかというと、丸暗記できてしまうと、切り替えのときに混乱して計算間違いするかも知れませんよと言いたかったのでした。