損失ゼロだってたいていありえないのにねえ

また永久機関か!

電磁力を応用した高効率な小型発電装置を、相模原市の「ソフォス研究所」代表の木下博道さん(74)が開発した。

http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20090319ddlk14040128000c.html

ふむふむ。ホントなら下手すりゃノーベル賞物ですね。どれどれ。

開発した発電装置は、円形アルミ板の周縁に磁石のN極、S極を交互に配列した回転体が大きな特徴。その周囲にコの字形の銅線コイルを配置する。始動時には市販モーターの助けを借りて回転体がコイルの間を動き始め、回転速度が増すと、ベルトでつながった別のモーターを回し発電する。

http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20090319ddlk14040128000c.html

あー、よくある高効率モーターのインチキ永久機関ですな。
以前から腐るほどありますね。
http://www.asyura2.com/0601/bd43/msg/489.html
http://newscience.air-nifty.com/blog/2004/07/3.html
http://oriharu.net/jjishaku_neutrino.htm
まあ、実用化されたという話はついぞ耳にしません。
永久磁石による永久機関は永久磁石が無限にエネルギーを生み出す何かだと勘違いしていることから生まれているんですよね。
さて…

研究所での実証運転では、回転体は最高で毎分1500回転し、直径80センチ(重さ約70キロ)の装置で毎時10〜15キロワット、同120センチ装置で毎時500キロワットを発電した。始動時に5・5キロワットのモーターを使った場合、1個100ワットの電球30個を点灯させていて3キロワットを発電できているのに、モーターの消費電力は2・6ワットしかなかった。

http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20090319ddlk14040128000c.html

SUGEEEEEEE!
普通もうちょっと控えめなものですが、1000倍かよ!
ってあれ?5.5キロワット使って3キロワットの電球と2.6ワットのモーター始動…2.497.4キロワットくらい損失が出てない?
そもそも毎時500キロワットの意味がわからないんだけど…キロワット時は電力量の単位だしね。
往々にして、この手の装置はフライホイールによる蓄電装置に過ぎず、よく電気が溜まった状態で観測すればまあ、モーターの入力に対して大きな出力が出ることはありますな。もちろん、それは継続的に出るものではありません。
上記リンクの最後のなんて、ものすごい理論になっているけど…

で、実用化されないのはそれがニセモノだからである、というオッカムの剃刀的反論は「石油カルテルとか中東の陰謀」で済んでしまうわけで、夢を追う人が後を絶ちません。
永久磁石のエネルギー使い入力以上の出力を取り出す装置、というのは出来ない、というのは一般教養としてアピールするのが必要なんじゃないかなあ。一見できそうだし。ましてやこういうのを新聞が載せるのはどうか。特許はしょうがないんですよ。装置の新奇性があれば効果に関係ないから。特許=実用化、ではないのですから、特許をとったというアピールは、新奇性のアピール以外の何物も意味しないわけです。

松下さんはたびたびドイツを訪れ第一級の研究者と、この発電装置の理論的な解明に取り組んできた。松下さんは「ドイツの学者、研究者は発電装置として認めている」と話し、同研究所は「ほぼ実証された」として公開展示に踏み切ることになった。

http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20090319ddlk14040128000c.html

ドイツの学者、というとなんとなく権威がありそうに聞こえるのは日本人的なアレですね。
仮に本当だったとしたら、エネルギー事情が劇的に解決して、ますます人類の堕落が進みそうです。
ところで、上記の毎日新聞記事上の関連記事に笑った

【関連記事】

http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20090319ddlk14040128000c.html

わかってるじゃんwwww