わたしたちはなぜ「科学」にだまされるのか

いまさらだけど、読んだ。

わたしたちはなぜ「科学」にだまされるのか―ニセ科学の本性を暴く

わたしたちはなぜ「科学」にだまされるのか―ニセ科学の本性を暴く

原題は「VOODOO SCIENCE」であり、また訳書がハードカバーで出たときのタイトルから文庫化に当たって「科学」と括弧書きになったのはこの本が「だまされる」と言っている相手がニセ科学だからですね。
とりあえず、ニセ科学批判を考える人は1,2章は教科書みたいなものなので読んでおくとよいと思う。3章は意味があるが科学であり、ロマンは科学に含まれない、というような話であってちょっと違和感はある。もちろん、ロマンに科学的意味を持たせるとお金がとてもかかる。その持たせた意味に価値がほとんどないことが自明であるならば、それはニセ科学が無知を相手に金を稼ぐのと同様の害悪であるという立場もあるよね。税金からなるものであれば尚更。
しかし、この本を読んでわかるのは、NASAって意外とダメダメなんだな、ということかな(笑)。くれぐれも「NASAで研究された」が売り文句のインチキに引っかからないように。
あと、この本は常温核融合を滅多切りでぎたぎたにやっつけているのでそのあたりも含め、人のアイディアに投資したりそれで商売しようとする向きも一度は読んでおくべきかなあ。
10章を読むと科学と大衆の夢は合致しないものなのだなあと思ってしまう。1人でも多くの人が科学の本質な部分でロマンを感じてくれればよいのですが。