包丁は殺人の道具ではないけれど、DPIは盗聴の道具だろと紹介したくなる

内容についてはあとで書いてみようと思っているのだけど、一つだけ。

皆さんは包丁を誰から紹介する時に
 「包丁は平たく言えば殺人の道具。」
 と説明するでしょうか?
技術とは、それを活用する側の人間によって使い方は代わります。DPIを盗聴器と片付けてしまうのはとても乱暴だと感じました。

DPIは悪なのか?「ネット全履歴もとに広告」総務省容認 課題は流出対策」について思うこと。:ASSIOMA:オルタナティブ・ブログ

盗聴器は平たく言えば犯罪抑止の道具、とでも説明する人がいるのかどうか、という話しなんじゃないかと思った。何しろ、書いてある通りのセキュリティーが目的であれば、それはその他の理由には使われないよね。例えがおかしすぎると思う。
包丁は料理するための道具である。そこから逸脱した使い方をされる危惧があるからと言って責められることはない*1。しかし、逸脱して使われた場合にその行為が責められることは自明。であるならば、DPIの利用方法が本来の道具としての使い道を逸脱した場合、その使い道は責められる。しかも、それも本来の使い道の一種として提示されるのであれば、道具自体が責められることも自明であろう。DPIそのものではなく、そこから得た情報を使うほかのものが道具だって主張しているみたいだけど、情報を提供することを容認している時点でその二つの技術は一体になっている。
いかさまを仕込んだ人と実行する人が別だから仕込んだ人には責任が無い、みたいなロジックは通用しないよ。

*1:実際には、ぶっすりと突き刺せないように先端が丸かったりと、批判に対する対応を行っている現実はある