法律より発想が怖いよ

人間の想像力は危険!規制しなければ!みたいな発想じゃないと非実在何とかとかが規制される意味がわからない。反社会的な行為に対して「こういう価値観があるんだ」と半ば肯定的に示すような表現が社会にとって望ましくは無いだろうことはわかるけどね。社会において実際のその行為を縛らなければならないのは、人間が実際にその行為を行ってしまうからだ。表現を規制することで行為がなくなるなら、表現規制以外の犯罪に対する法律なんていらないよね。実際には悪が徹底的に悪だと表現されていたって犯罪は起きる。

多感な頃にP.K.ディックを読んだからかもしれないけど、そこで書かれるディストピア的な未来像が現実に押し寄せてくることを恐怖してしまう。あるいはウィリアム・ギブスンが書いていたような、薄暗い混沌の世界が近づいているようにも思う。

社会の究極の目標は正義と秩序の世界の構築なんだろうけれども、人間とその人生においてはそれは目標とはならない。常にせめぎ合って妥協点を見つけていくものなんだろうけど、正義と秩序の名の下に一方的に押し付けようとしている人たちは、それによって自分の人生が豊かになると思っているのだろうか。