完璧なシステムとガラパゴスな開発

新幹線の件での日経の見出し。「集中管理リスク露呈」とか。当たり前でしょそれは。そういえばANAのトラブルの件でも似たような話が。あれはホリエモンがいってたんだっけか。

効率のいい運行システムを作ることと、トラブルに対応することはどちらも大事だけど、あらゆる事態に対応できるシステムなんて出来ないし、究極的には全て人手で代替できないと、なんてANAのとき言ってた人もいるけどそれだとシステム化の目的の一つ「業務効率化」なんて達成できない。いや、値段が高くてもいいなら別だけどね。
世界的にみても特異な時間に正確なシステムに慣れちゃってるかもからしれないけど、ちょっと電車止まったくらいで新聞がドヤ顔で報道するのは変だよね。利用者が文句言うのはいいとしてもね。
そもそも日本の製品開発がガラパゴスな感じなのは、常に平均ではなく最適を求めているからかもしれないね。もっとも、その最適が何かをわかってないままで進めるから、出来合いのものの組み合わせより劣るものができたりもする。システム開発で不幸になりがちなのはそこ。「日本製のシステムって堅牢で使いやすい割に安くていいね」って絶対にならない。よい点を上手くパッケージ化して製品に仕立てるという世界ではないし、さりとてプラント建設のような独自ノウハウの塊というわけでもなく。
銀行とかにしたってそう。

もちろん、完璧(は無理だけどそれに近い)なシステムが売りになる部分もあるよね。工場の仕掛けとか、機械の制御周りなんかは職人芸の世界に近づくことで競争力を持ち得るし。
システムそのものが価値を生み出すものと、システムはあくまで事務の代替でコスト削減の手段にすぎないものとでも大きく違う。後者に完璧を求めすぎることで社会が負担するコストってのは案外でかい。それに気づかないで文句を言ったり国会で問題にすることで預金の金利が幾許か下がり、電車賃が幾許か上がっていると思うんだけど、文句言って溜飲を下げる方が大事だったりするんだよね。