自己表現は疲れる

仕事で鬱っぽくなる人が多い。作業をお願いすると実に有能だったりするんだけど、駄目だ。どうすればいいか考えてみるんだけど、答えはでない。でもちょっと思うのは、今の仕事って少なからず「自己表現」ってやつを求められているんじゃないかと思うんだよな。ITの仕事って職人に近いもののような気がするけど、実際には全然そんなことなくて、自分で全部を作り上げちゃうならともかく、少なからず他人とI/Fしなければならない以上、何がしかの表現能力は求められてしまう。それができない、あるいは過剰に求められて消耗してしまう、ということなんじゃないかと思ったりもする。

そもそも、自己表現ってのは疲れるもののはずなんだよね。なんだか自分でもわからない自己というやつを表現する。「お前はどう考えているんだ」「考えていることをはっきり書け」とかさ。できれば「目の前にある表をひたすら打ち込む」みたいな作業で一日終われば頭は使わないからその後の活動に専念できる。でも、そんな作業はもはや人間のやることではなくなっている。常に頭を使って何がしかを表現することを求められる。みんながみんな、そんな適性をもって生まれてきているわけではないだろう。

仕事においてすらそうである。いわんや趣味をや。表現とは本質的には自己の抑え切れない衝動を噴出させるものであって、エネルギーなしには成し得ない。表現し続けると疲れはてて当たり前なんである。