今一生さんのid:pha叩きの後編が2週間もかかって内容がない件

中々出てこないからもう諦めたのかと思っていたけど…見込みで記事を書いたら見込み違いで書けなくなったという罠なんですかね。

「働けない事情はないけど、働きたくない」自称ニートが、「本の制作費」として、生活費を算入した資金を集めるという反・良識的なプロジェクトを受け入れたクラウドファンディング「CAMPFIRE」。その運営元であるハイパーインターネッツ(東京都港区)に「どんな基準で、新規プロジェクトを審査・承認しているのか?」などの質問をメールで送ってみた。

 だが、25日間も待っても、回答がなかった。

自称ニートがネットで"生活費集め"はOKか!?(後編) | ビジネスジャーナル

wwwだって無視したってtwitterで言ってたよね

相変わらず、反良識的だの勝手に自分の価値観を適用して良識というコモンセンスの世界にまで土足で踏み込んでいるすごい記事ですが…
そして、まさかのstudygift、うつっぽ批判…しかし、内容に踏み込んで批判しているのではなくて、批判されていることを持って批判しているといういかにも他人の弁をキュレーション()して本を作ってきた今さんらしいやり方ですね。

クラウドファンディングの運営元には、普通の人にとって関心外にされやすい案件や社会的ニーズが小さい案件も、少なからず承認を求めてくる。そうした少数派を守りたいなら、プロジェクト内容の信憑性や妥当性、金銭が授受されることで起こり得る悪影響を逐次確認する手間は省けないはずだ。

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この話にはうなずけるところはあります。しかし、これはひどい

そうした金の流れに無関心のままでいれば、phaさんの件以上に社会悪を撒き散らすことに発展するかもしれず、法的規制を招く要因になりかねないからだ。

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前回の記事でもきっちりと断じられているわけではないid:phaさんの件を社会悪と根拠なしに断じています。どんだけニート憎いんだよこの人…

だからこそ、国による法的規制が進められる前に、運営者自身がサービスの社会的価値を守るために審査基準を明快に発表し、どこにもやましさが紛れ込まないよう努力することが、果たすべき社会的責任(SR)ではないか?

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これも別に問題ないというか、同意なんですけど、とにかくこのことがどうやってもphaさんの案件が「社会悪」であることの根拠にもならないし、CAMPFIRE自身の問題にも直接つながっていかない。

ようはさ、クラウドファンディング流行ってるけど、ちゃんと案件について審査して社会に対しての正当性をアピールして行かないとこういうサービスは立ち行かないよね、という話自体は別におかしくないんだよね。

ただ、それを「自称ニートがネットで"生活費集め"はOKか!?」なんていう記事にしてしまっているから問題なんであって。OKかって言われたらOKでしょってだけで。

実際、studygiftが炎上したのは、ネットの自浄作用に近い面によるもので、もちろん炎上なんてする前にどうにかしろ、ということもあるんだけど、少なくともヤバイことになる前になんとか取り下げられた。家入さんという人は僕はどうも好かないし、やっていることがいい加減すぎる面はあると思うので、今後もみんなのウォッチの的だとは思うけどね。

とはいえ、そこについてはやっぱり不安もつきまとう。妖しい金が集まってくる世界について回る裏社会の影。ちょっと気の利いたインテリヤクザさんだったらそろそろこの手の仕組を狙ってくるんじゃないかと思ったりもする。ネット寄付的なものの危うさってのはやっぱりあって、noiehoieさんの件も正直言って少々怖い。noiehoieさんのことをよく知って寄付した人ばかりではないだろうけど、こういう成功事例に乗っかって、同じようなことをする人が信用できるとは限らない。でも、機運が高まる、という状態になるとなんでも引っかかっちゃう人が出るものだ。だからこそ、noiehoieさんには「こういうことをするときには全てをオープンにするもの」という機運も同時に高めて欲しかったんだけどね。きっと5番目くらいの案件が危ない。

さて、話を戻すと、しばらく企業の社会的責任についての話が続く。ISOにもなったということは僕もだいぶ前に言及したことがあるけれども、ここでいう企業の社会的責任(CSR)と、クラウドファンディングのプロジェクトの内容というのはリンクするのだろうか。CSRの概念は未だきっちりと固まっているとはいえず、なかなか難しい。「ニートを支援するプロジェクト」が例えば法令に違反していたり、詐欺等の犯罪につながったり、ということであれば確かにそうかもしれない。でもそんなことはないよね。もし公共良俗に反しているとかいう話だとしたら、アダルト系企業はCSRがないのか。そんなこともないよね。
studygiftはまさにその詐欺的案件の疑いによって潰された。でも、結局のところ、そこで潰すという決断をすることもCSRの一つだと考えられる。

最後に、phaさんに本当に必要だったもの、という観点で論じています。

phaさんのように「自分の力で未来を切り開けない」事情がないと自己申告しているプロジェクトに対して必要なのは、本当に金だったのだろうか?
むしろ、phaさんがphaのままでも生活費程度を無理なく調達できる仕組みを、彼の身になって一緒に考え、作り出す仲間ではなかったか?

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えええええ?なんですかそれ?「生活費程度を無理なく調達できる仕組み」?それだったら本書くからその間の生活費くれ、書いた本は支援者に提供します、のほうがよっぽど社会的には正当な要求な気がするんですが…

そこまで承知していたうえで、CAMPFIREの運営者がphaさんのプロジェクトを容認し続けるなら、彼らはまだ「道徳をはしょっちゃった」重みに気づいていないのかもしれない。

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大事なことだからなんども言っちゃうけど、道徳を端折ったというのは「今さんが考える道徳」に照らすとこの案件は悪、ってだけで、わりと多くの人が「これは道徳的に問題なかろう」と判断したからプロジェクトが成立したっていう事実を完全に無視しているよね。
僕が思うに、クラウドファンディングを提供する企業が守るべき線はその案件が「犯罪ではない」ことを担保することだと思う。道徳がどうとか、そういうことはまあある程度「こりゃさすがにまずいだろ」というやつをプロジェクトにしないというのは企業の良識として求められるとしても、「これいけんじゃね?」っていう判断をしたならあとはユーザーが判断すべきことだと思う。マネーの虎ではないんだよね。みんながいいと思ったらお金が集まる、というのが大事なところ。だから、「この会社おかしな案件ばっかり提示してくるよね」ってことになれば信用も落ちるしそもそもプロジェクト成功率が低くなるだろうから、結局のところ、ある程度は社会に与える影響を考えながらプロジェクトを提示していかざるを得ないと思うわけです。

生活費を「本の制作費」として言いくるめるような表現を見て、CAMPFIRE側が「取材や資料代に10万円もの大金がかかるなら、その内訳を詳細に加筆して再度申し込んでください」と指導しただけでも、phaさんのプロジェクトの印象は随分違ったはずだ。

(5ページ目)自称ニートがネットで"生活費集め"はOKか!?(後編) | ビジネスジャーナル

だから最初から生活費だって書いてあんじゃん…文盲なの?と思った人は僕だけではあるまいけど…

ということで、前後編読んで思ったこと。今さんは

ということがわかりました。はい。
なんか最初はstudygiftを擁護する方向に行くんじゃないかと思っていたんだよね。でも、そうでもなかったのはあまりに批判にさらされたからまずいと思ったのかなと。憶測だけどね。

クラウドファンディングの仕組みには注意しなければならない点があるってことには同意するべきところはある。でも、それを「道義・道徳」とか「企業の社会的責任」という枠で述べるだけで法律法令の問題に踏み込んでいるわけでもなければ、仕組みのもつ本質的な強度に触れているわけでもない。

phaさんの案件が問題だ、ではなく、phaさんの案件がなぜ成功したのか、これからの課題は何か、という方向で書いたらよっぽど良い記事になった気がするんだけど。

id:pha憎しのあまり道徳というよくわからない論点に集中してしまって結果的に内容がなくなっちゃった、という記事でした。

蛇足だけど、道徳って部分で断じることについては、今さんの正義感の表れなんだろうし、その事自体を否定するつもりもないんだけど、やっぱりなんだかちょっと独善的なものを感じざるを得ない。僕だってphaさんの生き方が良いとは思っていないし、多数決でOKだったからOKと思うわけでもないけれども、それを社会悪と断じてしまうのはものすごい恐怖を感じる。それは、国会議員がタレントの親族の生活保護を叩きに叩いたような負の正義感のようなものであり、その根源が「お前だけ楽しやがってズルい!」というたぐいの嫉妬的な感情から出ているんじゃないかと思うと、いったい正義とはなんなんだろうと悩んでしまうのです。