セキュリティー研究家の執拗な攻撃はイノベーションを阻害するのか

答え:阻害します

大事にすべきものはなにか、という話でしかない。
ブコメにも書いたけど、例えば、医学は軍と人体事件によって大きなイノベーションを得てきた。工学だってそうだ。ロケットだってスペースシャトルだって人の死を犠牲にしてきた。
それは今では倫理的に許されざるものも多いし、進歩のために自らを犠牲にする行為はそれでもなお広く行われている(それすら批判されかねない昨今ではあるけど)。

セキュリティーにおいて、それを無視した技術が非難されるのは、その犠牲になるのが発展に寄与するべき自ら志願したものではなく、そうと知らされず、それを利用する一般市民だからであるというのが大きい。そして、ともすればそれは犯罪者にとってのパラダイスを創出するのだ。

イノベーションという言葉は無条件で肯定される善という意味ではない。

武雄市長にセキュリティーについての知識が不足しているのは所詮専門家でもない一般人と考えるとしかたがないところではある。だから、もっと専門家の声をきちんと聴くべきだ。
とはいえ、かつて僕が少し心配していた、高木先生のやり方が反発を招くものだというものが悪い感じにマッチしてしまった感は否めないところだけど。
いまさらだけど、これをうまく収めるにはとっとと市長を選挙で落とすか、それとも「恥をかかないでこの問題から撤退する」ための入れ知恵を誰かが行うしかないと思うんだよね。