現実主義と理想主義、どっちが怖いかなあ

実はこの比較は意味がないと思ってる。半か丁、どっちが当たるかなあみたいなもので。
ただ、物事にはそれぞれプロセスというものがあって、理想主義がそもそもの俎上に乗るのはプロセスが実現可能かという部分にある。
あと、理想が実現すると長期的にはコスト/リスクが低減するけど、短期的には大抵の場合増大する上に、実は正解じゃありませんでしたって時にコスト/リスクの回収が不可能にある場合もある。
現実主義ってのは多分に適応的なプロセスを経るので、極端な結果を生みづらい。そのかわり、大きな変容を受容できないので、現実の歪みが極大化した時に崩壊する可能性はある。
理想主義と言ってもその理想は常に万民のためのものではない。浸透させるには「教化」が必要だろうし、それが人間のあるべき姿と合致しているかは常に問われる。よくSFで書かれていたユートピア幻想からの脱却ってのはまさにその人間が人間であるために必要なものの奪回を描いているのだ。
なので、真の理想主義というのは絶え間なく変容して行く理想の姿を常に追い続け、現実に影響を及ぼそうと働きかけることだと思うし、真の現実主義は理想主義が追っているものを見ながらそれを現実に適用するための手段を考え、実行して行くことなんじゃないかと思う。少なくとも、同じ目標を見ることができるのであれば、理想主義も現実主義も、どちらも大事で存在として両立させるべきものなのではないか。そして、人間において、これ以上のものはないという到達点は存在しないのだと思う。