封建社会的踏み絵マネジメントをイノベーションと絶賛する茂木健一郎

情けない話です。

宗教やら忠誠心やら不平等な倫理やら、そういうものを絶対のものとしてそれに従わないものは悪と断じることで権力の正統性を主張する、というのが封建主義のひとつの側面だと思うんだけど、それを地で行くやり方を「イノベーション」と捉えるのはとても現代人の感覚とは思えません。
日の丸が、国家が絶対的なものだってのは封建主義というよりは帝国主義の産物ではあるけど、そのイデオロギッシュなものに従わなくては断罪されるという踏み絵マネジメントは新しいどころか問題があるとして捨てられたものですよね。
せっかく個人のイデオロギーはマネジメントの対象にならないという世界に苦労してなったと言うのに、そこから後退していることを無邪気に喜ぶってのは知識人としてどうなのかな。
まだ、単なるポピュリズムのほうが幾分ましだと思う。
君が代歌わないと処罰されるってのはイデオロギー以前のルールの問題で、ある種契約の問題でもあって、内心までを損なうことではないから僕としては消極的否定に留まる問題なんだけど、はっきりとこうマネジメントの問題と言い切られると、内心の自由をも侵食しているようでかなり気分が悪い。