ごく単純な礼儀の問題として

ただ、「読みました」と言いましょう(笑) - Togetter
まあ、たまにエゴサーチして「図書館で借りたなんて言うなー!!/ブックオフで買ったなんて言うなー!!創作者の気持ちを考えろ!!!」っていう作家がいそうな気がする。
とはいえ、僕はまあ自分が仮に作家になった時にそう言われて困惑するかというとどうだろう。生活に困窮していたら「買えよ」って思うかもしれないし、そうじゃなかったら「図書館でもなんでもいいから読んで俺の作品をみんなに宣伝しろ」って思うかもしれない。そういう相手の経済事情がわからないのであれば、不快に思うかもしれないから余計なことは言わんでおこう、というのがまあ礼儀ってもんだと思いますね。

従来(というのも馬鹿馬鹿しいほどウェブが当たり前の時代が長くなって来ましたが)なかった表現者と受容者の直接接続が行われることでこのへんの礼儀というか儀礼というかそういったものを意識しないでも接続できる環境になりました。身構えというものがなくなっているというべきか。初対面の人に会うというのは一種の儀式みたいな部分があって、きちんと身構える(相手のことを考える)というステップを踏むことが多いのですが、ウェブはそういう壁も取っ払っちゃいましたね。
だから、もう一つ重要なのは、本来的にはそれほど失礼さを持たない人でもウェブでは失礼な振る舞いをしてしまう/本人が意図せず繋がってしまうので儀礼を伴わないというケースがあるということですね。

なので、ある程度そういう不幸な出会いを許容できない人は、ウェブでもリアル知り合い以外とはお話しませんよ!というスタンスを持つしかない。あくまで発信手段でのウェブを利用しているのであって、双方向コミュニケーションを企図していませんよ、ということでなくてはならない。そうじゃないのであれば、この手の失礼でいちいち凹んだりしなきゃならないので身が持ちません。
無論、繋がりたい側が礼儀を持たなきゃならないのは前提なんですけどね。単に批判/批評したいだけなら直接本人と話す必要はないわけですしね。問題の根本でないところをきちんとスルーできる人ばかりであればこんなことが問題になったりはしないのですけど。