ヱヴァQ考察(ネタバレ)ストーリー編:中編

僕は、物語が好きなんですよね。作品から受け取るべきメタメッセージみたいなものは実際あまり重要視していない。SFとかを読んで、人類への警鐘を読み取ったりすることはあるし、そういう感覚が0ってわけじゃないんだけど、あまり現実と絡めてなんとかのメタファーだとか考えるよりは作品世界そのものだけを読み解きたい。
なので、表層的な考察にはなります。あとできるだけ新劇場版の世界の中で完結したい。
さて、ストーリーらしいストーリーもなく、新キャラ新アイテムの博覧会だった前半を終わってポカーンな状態で後半です。

NERVにて

ロゴマークのモディファイが何を意味しているのかさっぱりわからず、また、ゲンドウ、冬月、レイ?、カヲルの4名しか描かれないことからどうやって運営されているかもわからないNERVですが、一応動力は確保しているみたいです。
某オプティックブラストなゲンドウさん、常に予定通りであることを強調しますね。
破までで出てきた小道具(ネブカドネザルの鍵など)が少なくとも今回はほぼ出てこないというところも破とは一体何だったのかと思わざるを得ないところです。
ここでの物語は、助けたはずのレイの喪失と希望。とはいっても、非常に単純で、レイは別人だし、カヲルの口車に乗ってしまうシンジ、という感じです。
世界の崩壊について、いくつかのヒントが提示されます。典型的なのはトウジのワイシャツ。当然ながら、視聴者に二つの可能性を提示しています。一つ、同級生たちは死に絶え、ものだけが残った。一つ、ここにはいないけれどもどこかで生きている。少なくとも、もう第3新東京市はなさそうです。

レイとの交流

はいはいリセットリセット。問題は、押し付けがましいシンジに対して、「会わない」という点。ラストシーンのことを考えると、会っていれば何かが変わってしまう、だから話の都合上会わせられない、と感じました。結果として、シンジはレイが自分の救ったはずの彼女ではないことを認識し、絶望へ一歩進んでしまいます。

カヲルとの交流

一方で、シンジにとっての新キャラであるカヲルとの邂逅は、彼に希望を与えるように描かれています。新劇場版の文脈として重要なのは、壊れたS-DATがカヲルとの出会いによって、再び動き出すことでしょう。自分を肯定してくれる存在としてのカヲルはシンジに希望を与え、物語が再び動き出すきっかけになります。

ループの示唆と、非ループの示唆

カヲルについては何らかの形でループ(あるいは並行)していることは「今度こそ」の解釈としてそれ以外考えづらいです。一方で、冬月からは「時間はもとに戻らない」というニュアンスの言葉が出ます。これは、視聴者と同様の位置にいるカヲルとそうではない冬付きの差、と捉えることもできます。僕達にとっては繰り返しの物語として見ることができたとしても、その場の登場人物たちにとってはそうではない。その程度の話と一旦受け取っておきます。

ピアノ

正直こんなに映像に凝る必要はないというか、必然性がないというか…
逆に必然性があったと考えるとここから何かを読み取るべきなんだろうけれども、どうも思いつきません。
シンジがピアノを弾けてしまうこともなんだかな。

つづく。