特許庁システム開発の件がどんどん胡散臭い方向に

優秀な技術者10人いればできると豪語した人も出てくるくらいなんだかわからない方向になりつつある特許庁の案件ですが、どんどん香ばしい情報が出てきているみたいですね。明らかになったのはだいぶ前みたいですが。

この3社はいずれもシステム開発実績がゼロのIT開発とは無縁の会社でしたが、なぜか東芝ソリューションはこの3社と契約を結びます。(正確にはザクロスとONEONとは直接の契約、アイディアストアハウスとは東芝ソリューションの子会社を介しての契約となっています)

二階俊博氏と特許庁新システム断念の因果 - 木走日記

まず不思議なのは、東芝ソリューションがこのシステム開発経験皆無の会社と直接契約できていること。東芝ソリューションってそんな小さい会社だっけ。本体じゃなければそんなものなのかな?
この業界、いわゆる「口座を持つ」というのが継続的な仕事をするための第一歩でして、例えばある程度の規模と実績の会社にならないと銀行のシステム子会社とは契約できません。なので、2次請け3次請けしかできなかったりします。もう不自然極まりない。

世の中こういう口利きで仕事させる、というのは昔から日常茶飯事だったし、それで収賄などで捕まることも日常茶飯事でしたけどね。ただ、ITの場合、土木建築に比べると「本当にできる」のかどうかわかりづらいし、失敗した時に完全にバレバレなのでここまで酷い口利きはなかったのでしょうけれども。でも、多分一見成功したように見える案件でもこういうのたくさんあると思うんだよね。これが唯一の事例とは思えない。現場でよく「なんであの人達がいるのかわからない」ような無能が集っている大規模プロジェクトがありますが、それってこの類のものじゃないかな。

それはそれとして、政府の入札案件の話。たまに不自然に安くて報道されることはありますが、この案件って、安く落札したところで東芝ソリューションにとっていいことってないですよね。例の3社に金が流れるにしても、東芝ソリューション自身は損するに決まっている。一回とってしまえばメンテやらなんやらでカネになることはわかっていてもね。これが他の最安値ぎりぎりの価格で落札したとかならもう一枚陰謀がある話なんだけど、そうでもない。
入札案件眺めてみればわかるけど、わりかし妥当な値段と思われる価格で落札されているんだよね。もちろん、既存システムをやっているところが有利(仕様がわかっているから調査費用がかからない)けど、大きい案件は過去ウン年間XX庁の開発案件をやっていないこと、みたいな縛りがついてどこかの独占にならないような条件もついている。
そういう話も総合して考えるとこの案件の不思議さ(誰が得をしたのかさっぱりわからん)がより一層見えてくるわけです。いや、まじめにあの金額でできると思っていたんだったら東芝ソリューションがアレだったってだけだけどね!