性風俗の是非と従軍慰安婦の問題はまた別

地続きと捉えることもできるけれども、切り離して考えるべき部分もある。そういう意味で橋下市長とか石原元都知事とかの発言が異次元の彼方なのである。
でまあ、是か非かというのは過去から現代に至る倫理(その中には為政者や社会の都合により形作られたものもあろう)の連続性の中で考えると容易には答えが出ない問題だとは思う。好きでやっている人がいれば否応なしにやらざるを得ない人もいる、ということをいわゆる労働力の搾取問題と同列に語ることだってできる。タブーの部分がなければ本質的には他の労働と変わらないという考え方だってすることはできる。人間のありようの問題にまで踏み込むと泥沼。
ただ、この手の問題については需要と供給バランスを作りだすのが人為的に過ぎると、自由意志の介在する部分が相対的に減少するのではなかろうかという懸念はある。
あと、米軍に沖縄の夜の街にもっと金を落とせというのは簡単だけど、性風俗にかぎらず風俗営業というのはなぜ規制があるかというとトラブルが起きやすいからであって、それを単に繁華街周辺の人間にリスクを負わせることで賄おうというのは解決策になっていない。

というかさ、戦争が人間に与える問題ってのは単に性衝動に帰結するだけじゃないわけであって、そういうのを単に発散すればいいじゃんという風に考えるのであれば、殺人衝動とかも解決してくれるんですかねー。どうですかねー。全部射精すれば解決するって思うのは自分がそういう人間だからってだけであって、根拠は特にないんじゃないですかねー。