ブログと文章力

推敲しないで垂れ流すことで有名な当ブログですが、どこかの某とかのブログを読むと短文単位で日本語が崩壊していてさすがにそれはないなーと思ってしまうと、文章としてはだいぶマシな方なのではないかと勘違いしてしまいます。

上の文章の主語を示せ

いやね、ちょっと気になったエントリがあって反論めいたことを書こうとしてまじめに読んでみたら何が書いてあるかわからなくなったのよ。流し読みすると文意が伝わる、でもちゃんと読むと文意がわからなくなる。ふしぎ!

お仕事で文章を書くときに最も重要なのは、できるだけ誤解がないように、要件が漏れないように、しかし簡潔に記載する、ということだと思って書いています。これは業界によっても、お客さんによっても違うことなので一般論ではありません。複数解釈のできる単語の用途が文脈に依存しない形で決定されていることもあれば、上の上に提出するためにけむにまくような表現を要求されることもあって、そこが文章力のキモになってくるわけですな。これが何を伝えて、何を伝えないのか、ということに帰結します。

ブログで文章を書くのは僕にとってはお仕事ではありませんから、そういう面倒なことをついつい省いてしまいます。とはいえ、5〜6年前のエントリはトラバで議論合戦華やかかりし頃の文章ですので、時として非常な労力を費やしてロジカルに構成していたものです。最近そういうの少ないから適当になってきたなー。

そういうかなり低い基準から見ても「こりゃダメだろ」という文章はあって(それは時として自分にも当てはまるけどね)、もうちょっと頑張って書いたほうがいいんじゃないかと他人事ながら思ってしまったりします。ましてやプロブロガーとかそういうたぐいを目指しているのであれば、ある程度一般的に解釈ができる文章である必要はあるわけですよ。小説とかなら別ね。だれにでもわかる舞城王太郎とか存在価値がないよね多分。でも、作家でも内容に対して文章がキモすぎて読めない人はいますけど。

今ここで述べている文章力、というのはイコール表現力ではなくて、ロジカルな構成力(一文においても、全体においても)のことです。表現力という言葉は曖昧ではあるけれども、修飾の力と言っていいかもしれません。そういう意味での表現力をいくら磨いたとしても、肝心の文章力がないとものの役に立たない。何が言いたいかよくわからないことを僕もよく書くし、悪いことだと思わないけれども、それを他人を納得させるためのものとして書くのであれば、最低限のお作法は必要なんだよね。なので、そうじゃないだろ!ってものを見るとそれはケータイ小説を読まされたときのなんとも言えなさを感じてしまうのです。僕がオールドタイプなのかもしれませんけどね。