プライベートモードで勝手に閲覧許可IDになっていることについての不愉快さ加減について

ここであがいさんはわからないって言っているけど、もしそこで明示している理由を知ることがなかったら、不愉快に思う気持ちはわからないでもない。僕は不愉快ではないから全く的外れかも知れないけれどもね。
僕が思うに、まず、許可IDとしてなぜ選ばれたかわからないのがなんとなく気持ち悪いとか、どこかのブクマコメントなどをみて何かの基準によって選択された感とか、そういう正体不明のものがあるからじゃないかなあ。通常、「許可ID」ってのはある判断基準において、それこそブログ主との関係(どんなに薄くても)があることが大前提で設定されるように見えるものだから、そこに自分が入っている、と言うのは一体自分とどういう関係があるのかわからず、それがネガティブなものかポジティブなものかどうかわからない、という気持ち悪さが不愉快という気持ちに繋がるんだと思う。「どこから抜いた?」っていう問いも、その関係性を問いただすものだよね。だから、理由が明確になったとき、解決しているよね(追記のところとか)。
ホラーなんかでも生理的な恐怖感よりも、正体不明で説明不能なものの恐怖の方が怖かったりするけれど、人間の知的活動が認識したものを説明可能なものとして言語化することであれば、理由のわからないことに直面したときに不愉快を感じることってのは本能的な回避行動なのかもしれないですね。
あー、なんか適当理論になってしまった。まあ、こういう見方もできるかな、ってところで。

システムの値段と運用

システム開発は、たとえ要求の洗い出しとシステムへの落とし込みが上手くいったとしても、最終的には値段と納期によって出来てくる物には差が出ます。入力ミスが起こるようなシステムは、設計ミスかもしれないし、それを運用でカバーするということで要件を落としたのかもしれない。だから、短絡的に「入力ミスが発生するシステムが悪い」という発想はあまりよろしくないと思う。システムというのは「正しく」作られるべきだし、そうでないものは欠陥品だ、と考えることは理想的ではありますが、正しくないことを許容してしまったのがシステム開発側であるか、そうでないかは、実際の開発の現場を見ることができた人にしかわかりません。古いシステムなら要求仕様書も、設計書もちゃんと残ってないかも知れないから尚更検証が難しい。
ただ、現実にそこにそういうシステムがあって、それを運用して作業しなければならないときに、その弱点を「しょうがない」というだけでスルーしてしまうのであれば、結局のところ、なぜシステム化したのか、という目的を運用する側がちゃんと押さえてないといわざるを得ません。目的があって、とりあえず、例えば年金の記録を電子化する、という最低限の要件は実現しているけれども、入力エラーを検出できない、とすると、精査ができる運用を考えなければならないのは記録を預かる職務としては通常の業務の範囲内なんじゃないでしょうか。銀行なんて必ずダブルチェックしているはず。
実際に作られたシステムの値段と性能がマッチしていたかと言うと、多分そうではないでしょう。でも、納入されちゃったものを欠陥がわかっていながらカバーする手段を考えずに運用し、その結果としてトラブルが起きていることをシステムの欠陥だとするのではどうしようもない。
システムでも、それを使う職員でもない、本来なんとかすべき人がなんとかしなかったことが問題の根本的な原因なのではないか。

原則と感情

例えば仕事で大トラブルが発生したとき、それをリカバリーするための残業を命じられれば従わなければならない。で、その残業に対しては残業代が出なくてはならない。それで会社の利益が失われれば、ボーナスは出ないし、トラブルを起こした当事者なりプロジェクトなりの評価はどん底になる。と言うのが、普通の会社ですから、社会保険庁の件で、宙に浮いた5000万件を回復するために行う作業について、残業代を払うな、というのはもちろん原則としておかしい話です。
ただ、ここに「無駄遣い的投資」「横領事件が多発」「民間に比べてちゃんと働いていない(ように見える)」「責任を誰もとろうとしない」というネガティブな話が積み重なってくると「自業自得なんだから残業代なんて払うべきではないんじゃないの?」という原則と外れた、一見合理的だけれども、実際にはそうではない解決策を提示してしまいがちです。これは主に自分が被害者*1であるという怒りから来るものでしょう。
普通の会社だったら、リカバリー出来ないトラブルだったら潰れてしまうわけで、そうすると路頭に迷うわけで、それを回避するために持ち出しで作業するのは、自分の将来に対する投資かも知れません。だから、原則から外れていても、やるかもしれないし、あるいはそれは人間関係の問題だったりするから常に否定されるべきことか、というとそうでもないですから、そのような特殊な事例に該当すると主張しているともいえます。
そんなときに、合理的な説明のみでことを済ませようとすると「税金ドロボー」といわれるし、なかなかお役所も大変ではありますが、お給料まで法律(?)で決まっているんだからしかたが無い。誠実に仕事をしてみせ、冬のボーナスにしっかりとペナルティーが付き、みんなが納得するだけのことをやり遂げれば、非難の声も少なくなるんでは無いかと思います。
一つだけ疑問なんだけど、全員とは言わないけれども、貰った給料に見合った仕事をちゃんとしていたんだろうか。ちゃんと仕事をしていないことがこの事態を招いたんだったら、なんらかの責任の取り方の提示(降級されるとかね)がなされたら、もう少しみんなの感情が収まるように思えるのですが…どうなんだろうね、実際。

*1:実際に被害を受けてなくても税金がとか俺は民間でこんなに働いているのにお前らはみたいな意識でもあります