UP FROM THE SKIES / The Vanguard Jazz Orchestra

発売されたてほやほやの新譜。オフィシャルHPで買ったのがようやく到着しました。VJOとしては全編Jim McNeelyの世界なアルバム第二段ですね。LeadTpが替わってからの初アルバムでもあります。
VJOのTromboneは2つ前のアルバム時点で半分替わっちゃってますが、このアルバムからTrumpetも長らくのソリストScott君を除いて全員入れ替えです。2番?のFrank GreeneってLast Name珍しいんだけどTenor SaxのBenny Greeneとは関係あり?
新譜なので全曲コメント。
1.Up From The Skies
タイトル曲はJimi HendrixのJazzyなナンバーから。JazzでジミヘンといえばGil EvansのPlays Jimi Hendrixが筆頭と思われますが、McNeely先生はNo電気で攻めます。軽快なナンバーに仕上がっています。途中Peet's Feetみたいになるのも御愛嬌。バッパーのRalph Lalamaがどんなソロを取ると思ったら意外とおかしなソロで感心。
2.The Life of Riley
うって変わっておかしな世界に突入。RileyとはDrummerのJohn Rileyのことね。怪しいテーマ?が終わると6/4拍子の頭が痛くなるTrbソロスペースが展開されます。Luis Bonillaは昔ならEd Neumeisterの役回り。なかなか頑張っています。John RileyはMelとはちょっと違ったアプローチのDrummerだけど、6/4で軽快なソロ。小技師。
3.In This Moment
Scott君フィーチャーのバラード。もとはDanish Radio Big Bandのために書いた曲みたいですね。Jim McNeelyのバラードはやっぱりちょっと難しい。最後はPianoソロで綺麗に終わります。
4.Don't Even Ask!
Phil Woods Quintetのために書いた曲のアレンジ。そういえばそのころの雰囲気がありますね。テーマのアンサンブルやバッキングもMcNeely節が炸裂しています。しかし、Phil WoodsとBilly Drewesじゃスタイルが違いすぎますね…。Pianoソロとバッキングのバトルからラストまでは相変わらずの変態っぷりです。
SUITE:One Question,Three Answers
ここから3曲は組曲
5.Almost Always
Jonh MoscaとGary Smulyanをフィーチャーした曲。まったりなMoscaのソロとは対照的な忙しいSmulyanのソロ。最後Duoから怪しいアンサンブルに突入して終わります。怪しすぎてコメント不能
6.Hardly Ever
暗めのテーマのJazz Waltz。さっきは低いほう二人でしたが今度はDick Oattsと新顔Greg Gisbertの高いほうコンビ。をを、なかなかいいソロを吹くではないですか。進行がまともでないので評価しづらいところではありますが。
7.You Tell Me
組曲の最後はテナーバトル。二人ともこのバンドのキャリアは長い(もう20年以上かぁ)ですけどスタイルはだいぶ違っていて面白いですね。Tuttiはフレーズはカッコいい雰囲気がありつつも進行する感じじゃないのがちょっと残念。
8.We Will Not Be Silenced
テナーの綺麗なテーマから始まるこの曲でラストです。
全体的に難しいオーラが漂っているCDです。丸々ステージでやられちゃったりするとぐったりなんだろうな。最初の2曲あたりは面白い。新しいTpセクションは可もなく不可もなく。圧倒的という感じはないですが、まあ、上手いな。しかし、ちょっと物足りない。とりあえず聴いてて疲れるのでファンの人以外にはおすすめできません。