経済学が分からない

ここ数日の議論を聞いて思ったのは、経済学ってのは普段行われている経済活動が「今どうして」このバランスになっているか、を説明する学問なのかなあ、ってこと。もう一つ、あるパラメーターを導入したら、将来こういう風になるはず、という未来予想は出来るけど、その重力定数のようなパラメータは見つかっていないようだということ。
だって「完全な自由競争が」とかいうけど、完全な自由競争は様々な要因で阻害されているし、それが実現可能であるとしたらたぶん人々の要求も、文化も全てが均質化する世界じゃないとありえないよね。最後の砦サービス業は文化や欲望に対する、つまり個々でもそうだし地域ごとでもそうだけど、大変ローカルな要求に対する生産なのだから。で、均質化するって事は結局競争が必要なくなり原始共産社会となり経済学の意味が無くなるって寸法。単純化しすぎだろうけど。
実践分野ではデリバティブだなんだっていって理論を作ってやったりするけど、それだってそのために新しく仕組みを作り出してしまっているわけだから他の学問だったら単なるマッチポンプだよね。ゴッドハンドみたいな。でもって理論が合わなくなると市場の変化だグローバル化だなんて理由をつけて新しい仕組みを作り出していったりする。
なんか書いてて経済学に悪意を持っているみたいになってしまったけど、そういうわけじゃなくて、あ、でもそれはあるかな。どうもシンプルな説明をしている人に対して「経済学はそんな単純じゃない、その説明は間違っている」って言う人が結構多いような気がするし、たとえそれが事実であったとしても、それでどうしたの?としか思えない。実際政府の経済政策で景気が良くなった気もしないし、じゃあこうすれば良くなるはずってのをデータと数式と理論から掲げている人はあまり見かけない。見かけないってのは多分そっち方面で一生懸命探さないと見つからないってことね。「なんでこんなことがわからないかなあ」なんて言っちゃう人もいるけど、議論の前提に現実味が無いからだよね、それは。
でも経済学の入門書くらいは読んでおこうと思いました。自分がバカだからわからないのか単に知らないだけなのか経済学がダメ学問かは個人の論争なんかで決め付けちゃダメだしね。