人を引き合いに出すな

生産性の話はもうそろそろ収束かと思うのだけど、根源的な話で経済学が科学とであるかどうかとか役に立つかとか言い出した。まあそれはいいんだけど、自分の話している分野のみをもってその学問全体を疑似科学と言い放つ態度はどうなんだろう。それとも本当に疑似科学なのか。疑似科学は「科学を装ったニセ科学」を表現する言葉であるわけなのである*1から、もともと科学でないもの、あるいは科学的検証を試みているけれどもボーダーラインでもがいている学問に対して(本人たちが科学と言い張っているのならともかくそうでなければ)疑似科学呼ばわりするのはその研究者に対して大変失礼な物言いかと思われます。ましてや、自分の専門分野じゃない学問に対して。

言語学は、非自然科学の中では経済学と並んで形式的な体系の整っている学問だが、その実態が「疑似科学」である点も同じだ。しかし経済学者は「役に立たない」といわれても怒らない。いつもいわれているからだ。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/95d3adf9ab70ecda6604c71a807eedaf

自明なこともバックグラウンドがないと判ってもらえないという諦観はどの分野の専門家も思うことであり、経済学者がいつも言われているからだという話ではありません。いわゆる「役に立つ」ことを目的とすることばかりが科学ではないのであるから、怒らない理由としては不適切である。単に「役に立とうと思っているわけではない」だけなのです。
むしろ、役に立つと思っていろいろ述べていることに対して怒らないのでは全く意味がないし、池田先生だってそう思っているからムキになって相手をしているのではなかったんでしょうか。

*1:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%96%91%E4%BC%BC%E7%A7%91%E5%AD%A6。「科学であるように見せかけたり」、がポイント