セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴 / 島田荘司

御手洗潔ものの人情話で日常の謎が事件となり大きな謎となるパターンの物語です。御手洗の奇人変人振りを楽しみつつもその人情のありかを探るお話になっています。幼少の頃の(ある意味)トラウマな生活が事件を最後まで見届ける原動力となったような。後半に出てくる女の子の(救いがたいほどアホな)両親との乖離っぷりがとても気になってしまいます。そんなに親を気にしないで生活できるものなのか。
さて、謎解きの部分は非常にオーソドックスで、まあダウジングとか出てくるのはご愛嬌としても非常に明快でお話の筋から言ってもジュブナイル的なミステリーです。惜しむらくは冒頭についている短編が子供には読ませづらい(笑