「日本は文化が違うから投資は難しい」

TOB敗戦者の弁。投資と言うのが、投下した金額を短期的に確実に増やすということであれば日本に投資するのは考えものかも知れない。
日本はまだ完全資本至上主義社会ではないようだし、そうあるべきでもないと思ってたりする。阪神電鉄甲子園球場の土地を売ることによって得ることが出来るお金は確かに会社の現金を増やすけれどもそれを配当で使ってしまったらあとに残るのは無。株価を上げるために持っているものを切り売りするのは、切り売りした分が株価をかさ上げしているだけで、そのかさ上げされたものの消費とともに株価は下がってしまう。
細く長く、価値を生み続けるために存在するような地元密着型伝統企業を「合併で企業価値倍増・配当倍増!」なんてうたって何とかしようとするのは投資なのかどうか。物言う株主なんていうけれど、「お前の身を削って配当を出せ」「その新芽を全部摘んで配当を出せ」と言っているだけのことがほとんどなんじゃないか。全部ではないし、受けて立つ企業側も全部正しいとは思わないけれど。
投資に対するリターンを持っていくのはかまわないけれど、その企業価値を長い目で見て削っているような投資活動は、文化の違いとして一蹴されてもよいんじゃないかと思う。