ウェブに対するスタンスについての変遷について少し

インターネットがまだ一部の人たちのものだった頃、いくつかのスタンスをもった人たちが暗黙的に住み分けられていたことによって、また、こうまで一般的になるとは思っていなかったことによって、実名であることに抵抗が無かった時代がありました。むしろ、その当時インターネットで活動することは、サークルやら学問やらの宣伝であることが多くて、実名による利益の部分も十分にありました。誰かが分類してたけど、学校系(大学ね)、会社系、BBS系(パソコン通信からの参入者)がほとんどだったと思います。当時は僕も結果的に実名でした。実名そのものを売りにしてたんじゃなくて、ページに書いてあっただけね。
ところが、爆発的な普及を見せた頃から、若干様子が変わりだし、2chの登場や、ブログ形式の誕生、そしてなによりこれが大きいと思うのですが、googleを初めとする検索機能の強化、自分で自分のコンテンツをコントロールできない感の高まりが、一部の人にとって、実名でいるメリットとデメリットの天秤をデメリット側に傾かせたと感じる大きな要因になっていると思います*1
これは仕組みの変化でもあるし、時代の変化でもあります。個人的には、自ら発信したものがコントローラブルで無いこと(はウェブの原則である、とは思っていますが)は、人を匿名で居させる十分な理由になると思っています。
そんなわけで、色々なことを言い放っているのですが、小倉先生を初めとした、実名派の人をねじ伏せたいわけではないのですが、実名こそ正義という意見に対して、そうではないと言い続けることは必要で、その議論を見たうえで、自分は実名でもいいという人は実名になれば良いし、匿名がいい人は匿名になれる、そういう何かが結果的に発信できればよいのです。どちらか一方だけが正しい、考え自体が現状に照らすと間違いだと思います。

2007年07月25日 aozora21 Web ↓うまくいえないけど、NOV1975さんが言わんとしていたこととはちょっと逸れた展開になったかな?と感じています。
2007年07月24日 NOV1975 匿名, web 僕は様々なものが受け入れられないかも知れないウェブの未来をちょっとだけ感じていて、だからこそ、抵抗している部分はあります。一方で移行を穏便に済ませたい気持ちと。/まとめに入ったというより一区切りですね

はてなブックマーク - 「多様さ」を認めるって生易しいことではない。

これはとてもありがたい意見で、僕が一区切りしたのも、ためにする議論になっているような気がしたからです。小倉先生が間違っている、というのは僕の個人的な意見としてありますが、いくつかの点では同じ方向を向いているとも思っています。ではなぜ発信するかというと、ほおっておくと実名以外は認めないという空気ができあがってしまい、人から選択の余地を無くすかな、と思っているからです。当事者同士の議論そのものは、もちろん、上手く意見交換になって発展的解消をするにこした事は無いけれど、それ以上に多様な考えがあることを発信したい。論破することそのものだけが目的なのではなくて、その正しさが絶対的なものではないことを言いたいのです。
だから、これからもおかしいと思った点は指摘するだろうし、その中から自分なりの答えを発展させていき、一つの考え方として、発信したい。そう思っています。

*1:もちろん、webarchiveなんてのもあったけど論争の当事者ならともかく、関係ない人に発掘されることはめったにないわけで