〜さえあれば、できるはず?

われわれの業界でも、「お金さえあれば」「時間さえあれば」「人さえいれば」、できるじゃんと言われることがあります。こんな言い草はまだましなほうで「ないけどやれ」と言われることすらありますが、いずれにしてもそこで欠けている視点は「適切な」ということであり、何事にもバランスがあるということは、ある一つの点をクローズアップするときには大抵見えなくなります。あるいは、あえて見せません。
だから、仕事において、自分に有利にことを運ぼうとするときは、あえて見せなかったり、あるいは全部さらけ出したりと、色々な戦略があって、手段を間違うとやぶへびになったりもしますね。
さて、一つ印象的な言葉が出てきたので紹介。

「患者を治療するのは空きベッド」だとでも思っているのか。医療スタッフが足りなければ、いくらでもベッドは空く。

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「パソコン叩いているだけでシステムなんてすぐ出来るんだろ。お前ら楽な仕事だよな」って言ってオーバースペックなハードに金をかけすぎてエンジニアの工数が足りなくなっちゃう馬鹿営業と同じ。CPUに余裕があってもプログラムを作る金がないとシステムなんて出来ないの。
と、比べてみてわかったけれども、他業種の何が大変かなんて、普通はわかるわけない。だから、社会問題を扱うメディアは、それ相応の理解力と情報収集能力と説明能力を備えたプロであるべきだ。飛ばし記事を書いて視聴率や購読者数が増えることを目的とするのは、資本主義社会として正しいのかもしれない。となると、資本主義社会と公共の福祉は元々相容れがたい概念なのかもしれないね。