制度ではなく、システムで解決すべき問題

こう言ってしまうとDRMか、みたいに聞こえるかもしれないが、ここで言うシステムというのはプログラム的仕掛けのみならず、市場全体の運用まで考えた大きな話。
iPodITMSが成功したのは、もちろんコンテンツ業界の勝利ではないけれど、来るべき未来でどのようにして音楽を売っていくのかは示された。コンテンツは全てポータブルでなければならない。これはこれからの真理。所有とする形は大きく変わっているのに、業界の構造を一切変えないで生き続けることのどのくらい困難なことか。
もちろん、変わっていくのは困難なことだ。しかし、それを制度で解決しようとするとき、そのインフラに乗っている他の業界への影響を一顧だにしないことは、およそ真摯な態度で文化を振興というのとはかけ離れた態度である。
既に、ダウンロード違法案が一般の仕事に与えるであろう負の影響は別の方が洞察されているので詳しくは触れない。が、我々は既に個人情報保護法の時に、過剰な反応と過剰な報道を経験している*1。職場でのコンプライアンス対応のため、Webサイトアクセス禁止の日も近い。
制度ではなくシステムで対応すべきなのだ。もし、現実解が見つからないのであれば、きっとそのビジネスは終わったビジネスなのだ。コンテンツメーカーの利益を損なわない為には一刻も早く市場から退場し、新しいシステムに金が落ちていくようにすべきなのではないだろうか。

*1:これについてはネット上の漏洩に対する過剰反応も問題ではあり、また、そこの問題がブーメラン的に戻ってきている様相ではある